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その時だった。
「・・・んっ」
椅子で寝ていたAが目を覚ました。
総悟「A」
大丈夫か?と言って近寄れば、当の本人はゆっくりと立ち上がった。
「お兄ちゃん・・」
ベット脇に座り兄貴の手を握った。
「遅くなって、ごめんなさい」
まさか兄貴の野郎、俺から話を聞いたとか言わないだろうかと少し焦る。
Aが必死に隠してきたのに、最後の最後に暴露しないかとヒヤヒヤしていたら
新海「謝ら・・ないで・・・よ」
謝るのは俺の方だと兄貴はニコリと笑った。
「え?」
新海「ごめ・・ん。妹ちゃ・・」
約束、守れなくてごめんねと兄貴は言った。
何の約束だと気にしていたら
新海「君より・・・先に死ぬっては決めた・・けど・・君を守ること・・・もう・・できなくなっちゃった・・ごめんね」
そう言ってAの手をギュッと兄貴も握った。
「そんなこと・・ないです。私は、いつも・・守ってもらいました・・・」
新海「いいや・・・守れて・・ないよ」
兄貴はもう片方の手で何かを探す仕草をする。
「・・・お兄ちゃん」
Aの頬に彷徨っていた兄貴の手は触れた。
新海「・・・こんなに・・冷たくなっちゃって」
Aは不思議そうな顔をしている。
そしてそのままAの頭まで手を持っていき、頭を撫でた。
新海「こんな・・に・・・真っ白・・になって」
その言葉にAは目を見開いた。
「・・なに・・言ってるの?」
クソ兄貴、バラしやがったなと俺はイラつく。
「私は、白詛になんかかかってない!!!」
Aも冷静さを失い大きな声を出す。
それでも兄貴は冷静だった。
新海「誰も・・妹ちゃんが・・白詛・・にかかった・・とは言ってないよ」
「え?」
新海「俺の・・世界は真っ白だ・・」
手も冷たくなったから、もう君を守ることはできないんだよと兄貴は言った。
俺は紛らわしい言い方しやがってとイラつく。
新海「A・・は俺・・みたいに・・諦めちゃ・・ダメだよ・・生きて」
「お兄ちゃん!!」
兄貴の瞼がゆっくりと閉じようとしている。
新海「大丈夫・・。君の世界は・・真っ白に・・・ならないから・・」
それだけ言うと、兄貴の手はゆっくりとベッドに落ちた。
後に残ったのは心電図が0という数字と、アラームの音だけ。
総悟「・・・」
俺は無言でソッと部屋を出た。
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ユズ風呂(プロフ) - 完結編でぶっちゃけ夢主ちゃんの格好何に似せたんですか? (2019年4月28日 16時) (レス) id: 8ff75eaee8 (このIDを非表示/違反報告)
沖田いずみ(プロフ) - 紫蘭さん» リクくれて始まりも遅かったのにそう言われて頑張れます!!涙腺崩壊しちゃってください笑笑 (2017年12月3日 21時) (レス) id: 028374920b (このIDを非表示/違反報告)
沖田いずみ(プロフ) - りんごあめさん» そう言ってもらえると頑張れます!!長引いてますがよろしくお願いします!! (2017年12月3日 21時) (レス) id: 028374920b (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 逆にもっと長引いてほしいです。切実に…笑 毎日毎日涙腺と格闘してます…もう悲しくて悲しくて…。 引き続き頑張って下さい!! (2017年12月2日 23時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - むっちゃ好きです!むしろ長引くほどいずみさんの小説読めるので嬉しいです!1日の楽しみになってます!応援してます!! (2017年12月2日 23時) (レス) id: 7b8fac289e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田いずみ | 作成日時:2017年11月5日 22時