【銀魂】一番隊副隊長は天人さんですpart14

663話 ありがとう ページ31

総悟「A！！」


声をかければゆっくりと開いた瞳。


「・・・泣きそうな・・顔してる。珍しいね？泣いた？」


総悟「バカ・・泣いてねぇよ。俺は鳴す側でィ」


そう言えば笑ったA。


新海「よかったよ・・妹ちゃん」


「それでも・・鈴鹿は死んだ」


ゆっくりと起き上がったA。


総悟「おい、安静にしてなせェ」


「そう言う総悟の方が床に血溜まってるけど」


総悟「あ、本当だ」


俺は言われて気づく。
どうりで視界が揺れてるわけだ。


新海「ふー。妹ちゃんが死ななくてよかった」


Aはベッドから出て立ち上がる。


総悟「おい、安静に・・」


そんな俺の言葉など無視して、Aは兄貴の隣で倒れている鈴鹿のそばに寄った。


「鈴鹿・・・ありがとう。ごめんなさい」


そう謝った。


「私のワガママに鈴鹿まで巻き込んで・・。でもこれで終わったよ・・・」


新海「妹ちゃん・・」


「新海さん、鈴鹿のことよろしくお願いします」


そう言ってAは歩き出した。


総悟「待ちなせェ。どこに行くつもりでィ」


「こっちの件は終わった。あと二つの影武者に向かった奴らを回収しないと」


総悟「俺も行き「やめとけ」


俺の言葉を遮ったのは


新海「今のお前が行った所で、んなボロボロの体じゃ無理だ」


クソ兄貴で


総悟「テメェもAもボロボロじゃねぇか」


「神威団長とやりあったの忘れたの？総悟はこっちで将軍様とそよ姫様をお願い」


新海「それに、影武者に向かった鷹の目を止められるのは妹ちゃんだけだ。妹ちゃんが向かえば、おさまるさ。鷹の目は」


俺だけ置いていかれることに非常に不安だ。
それに一つ言わなきゃいけないことがある。


総悟「テメェもAもバカだねェ」


新海「あ？」


総悟「将軍様は死んでなんかいねぇ。さっき殺されたのは影武者でィ」


新海「は！？俺聞いてねぇけど！！」


総悟「騙すのはまず味方から。だろィ？」


「そういうことか・・。じゃあ将軍様護りに行かないと」


そう言って歩き始めたAの腕を俺は掴む。


総悟「待ちなせェ。俺も行くって言っただろうが」


Aは俺の目を見ると


パァン


俺の胸に衝撃が走った。


総悟「A・・お前・・」


「総悟は休んでて」


総悟「お前・・・麻酔弾まだ・・持って・・」


そこで俺の意識は途切れた。
アイツは最後に俺に笑顔を向けていた。

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