597話 近藤さん* ページ5
ーー近藤side
土方「・・・お前・・」
また拳を握っているトシ。
このままだとまたトシはAちゃんを殴るだろう。
近藤「トシ、ちょっとAちゃんと二人っきりにしてもらってもいいか?」
土方「な、近藤さん!!」
近藤「トシ!!!」
俺は大きな声で名前を呼んでトシの方を見て笑えば、トシはそのまま部屋を出て行った。
残ったのは俺と目の前でこちらを見るAちゃん。
近藤「悪りぃなAちゃん。トシも悪気があって殴ったわけじゃねぇんだ。ほっぺた腫れちゃったな」
「いえ、大丈夫です。土方さんが殴るのもわからなくないですから」
そう言って俺の方を見て笑う。
近藤「さてと、湿布でも貼って冷やした方がいいだろ?」
俺は湿布を取り出し、Aちゃんの頬に貼り始める。
そんな俺に疑問に思ったのだろう。
黙ってされるがままになってていたAちゃんが口を開いた。
「・・聞かないんですか?家族のために辞めたいって言った理由を」
近藤「言いたくねぇこと無理矢理聞くほど俺は野暮じゃねぇよ。それにAちゃんが家族のために真選組を辞めなきゃならねぇってんなら、俺に止める権利なんてないさ」
「近藤さん・・・」
近藤「ホイ、終わり」
そう言ってAちゃんの顔から手を離す。
「・・・いいんですか?私、近藤さんを悲しませるようなことするかもしれませんよ?」
近藤「おう。俺が泣くことでAちゃんが笑えるなら、俺は何度だって悲しんでやるさ」
俺は頭を撫でながら言う。
「近藤さんは・・・優しすぎます。後で私を斬らなかったこと、後悔しても遅いですよ」
近藤「大丈夫さ。そん時が来たら斬るかもしれねぇが、まだどうなるかもわからねぇのに斬るなんてマネするわけねぇだろ?」
「・・・自惚れかもしれませんが、近藤さんはそんな事言っても斬りませんよね?」
近藤「どうだかな?その時になってみねぇと俺もわからねぇな」
俺が大笑いして言う。
そしてすぐに俺は目の前に置いてある紙を取る。
近藤「コレは預かっとくよ」
「預かるではなくて・・」
近藤「まずは総悟の許可が必要だからな」
「総悟には渡せません」
近藤「止められるから、だろ?とりあえずコレは俺と総悟で預かる。Aちゃんはしばらく非番な」
そう言って部屋を出た。
しばらく歩くと煙草の匂いがする。
土方「アンタはホントに甘ぇ」
そう言うトシを俺は笑って横切った。
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沖田いずみ(プロフ) - 厨二病兎さん» じゃあ牢屋に行ってきます!!笑 そ、そんな面白くないよ!!こんなシリアス話書いてるけど中身はチャランポランだから笑 (2016年9月17日 21時) (レス) id: 028374920b (このIDを非表示/違反報告)
沖田いずみ(プロフ) - りしゅまろさん» 喜んでもらえてよかったです(^○^)うーん周りからはMだよねってよく言われます笑 (2016年9月17日 21時) (レス) id: 028374920b (このIDを非表示/違反報告)
厨二病兎(プロフ) - 沖田いずみさん» そうですね笑笑 集英社だったら即手錠ですね...笑 やっぱり、いずみさん面白い!! (2016年9月16日 22時) (レス) id: dfd9708258 (このIDを非表示/違反報告)
りしゅまろ(プロフ) - 糖分ごちそう様です(≧∇≦)ところでいずみさん。殴って欲しいだなんて…ドMだったんですか?笑 (2016年9月16日 0時) (レス) id: 1ea29ef546 (このIDを非表示/違反報告)
沖田いずみ(プロフ) - 厨二病兎さん» 持って行きます?笑 銀魂原作沿いだから集英社はダメだな笑 (2016年9月15日 18時) (レス) id: 028374920b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田いずみ | 作成日時:2016年7月28日 19時