595話 辞職願い* ページ3
ーー土方side
蒸し暑くなり蝉の大合唱が響く昼間。
はっきり言って蝉の声だけでクソ暑くてイライラする。
そんな中、俺は近藤さんと二人で隊士たちの割り振りで悩んでいた。
近藤「トシ、やっぱコイツは二番隊の方がいいんじゃないか?」
土方「いや、一番隊だ。一番隊でも行ける腕を奴は持ってる」
近藤「だけどまだ入ったばっかりの新人みてぇな奴だぞ?緊張して力を発揮できねぇんじゃねぇのか?」
土方「それじゃなくても一番隊は少ねぇんだ。使える人材は一番隊に欲しい」
近藤「新人を殺す気か!!トシ!!みんながみんなトシみてぇに力があるわけじゃねえんだぞ!!」
土方「そんな甘っちょろいことばっかり言ってるから、隊士どもが育たねぇんだよ!!」
あー、余計に暑くなってきた。
俺と近藤さんがもめていると、廊下から声が聞こえた。
「あの・・お取込み中すみません。今よろしいでしょうか?」
一つの小さな影が障子に写る。
まぁ声でわかったが。
近藤「おぉ!!!Aちゃんか!!入ってくれ。トシの石頭が全然俺の話聞かねぇんだよ」
そう言って襖を開けた近藤さん。
廊下には私服のA。
土方「あぁ、お前今日非番だったな・・。ってことは総悟の野郎、絶対サボってるな。見張りがいねぇからな・・はぁ」
俺はため息をつきつつ煙草を吸う。
近藤「Aちゃんは副隊長だしどう思う?やっぱ新人に一番隊は早いよね?」
「うーん、でも今後を考えるなら、一番隊に入れば勉強になるかと思いますよ?ただ、死ぬかもしれないですけど」
そう言って笑っているAだが、いつもより覇気がないような作り笑顔。
土方「おい」
「はい?」
俺の声かけにコッチを見たAは、やっぱり表情が固い。
土方「お前・・何かあったか?」
「どうしてですか?」
質問を質問で返して来やがった。
土方「いつもより覇気がねぇ。それにかしこまって局長室に来るなんて、何かあるからに決まってんだろ。で?用件はなんだ」
俺が問えば俺と近藤さんの前で綺麗に正座をしたAは、近藤さんの前に紙を置いた。
近藤「え・・」
土方「・・・こりゃあ」
近藤さんが手にしたソレが気になり、俺も身を乗り出して見る。
「辞職願いです。私、小湊Aは真選組を辞めさせていただきたくココに来ました」
そう言ってAは俺たちの方を見てニコリと笑った。
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沖田いずみ(プロフ) - 厨二病兎さん» じゃあ牢屋に行ってきます!!笑 そ、そんな面白くないよ!!こんなシリアス話書いてるけど中身はチャランポランだから笑 (2016年9月17日 21時) (レス) id: 028374920b (このIDを非表示/違反報告)
沖田いずみ(プロフ) - りしゅまろさん» 喜んでもらえてよかったです(^○^)うーん周りからはMだよねってよく言われます笑 (2016年9月17日 21時) (レス) id: 028374920b (このIDを非表示/違反報告)
厨二病兎(プロフ) - 沖田いずみさん» そうですね笑笑 集英社だったら即手錠ですね...笑 やっぱり、いずみさん面白い!! (2016年9月16日 22時) (レス) id: dfd9708258 (このIDを非表示/違反報告)
りしゅまろ(プロフ) - 糖分ごちそう様です(≧∇≦)ところでいずみさん。殴って欲しいだなんて…ドMだったんですか?笑 (2016年9月16日 0時) (レス) id: 1ea29ef546 (このIDを非表示/違反報告)
沖田いずみ(プロフ) - 厨二病兎さん» 持って行きます?笑 銀魂原作沿いだから集英社はダメだな笑 (2016年9月15日 18時) (レス) id: 028374920b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田いずみ | 作成日時:2016年7月28日 19時