好きになっても【白膠木簓】

♯７ ページ9

「お疲れ様です」


「おー、ありがとさん」



楽屋にて、 ソファーに座る簓さんに感想を伝える



「良かったと思います
けど、なんだか最近芸人よりアイドルイメージが定着してきているような…」


「まぁこのルックスやし？」


「調子に乗らないでください」


「はは、マネちゃんには効かへんな」


「当たり前です」



でもまぁイメージは考えなあかんな…と少し真剣な表情

その通り

あくまで簓さんは芸人
本人もそれを望んでいる



「イケメンは罪やなぁ〜」


「はいはいそーですね」


「ちょ…マネちゃんはボケを流しすぎや
もうちょっと拾ってくれへん？悲しいわ」


「ごめんなさい、私芸人じゃないんで……」



ボケとかツッコミとか、細かいことはわからないです


そう言おうとした時だった



プルルルル プルルルル



「あ、私のです、すみません…」



ペコリと頭を下げる

簓さんはかまへんよ、とさっき渡した水を飲んだ



「はい、Aです
はい…お疲れ様です、はい…ええ…はあ…」



電話は事務所からだった

今日の帰りに事務所まで企画書を取りに来て欲しいとのこと

はぁ…と心の中で本日何度目か分からないため気をつく


しばらく話しているとコンコン、と軽快なノックが2回


取り込み中なので私が出るわけにもいかず、簓さんが小声で「ええから続けとき」と楽屋を出た


挨拶か…？だとすれば…



「白膠木さん！良かった…反応無いからもう帰っちゃったのかと……」



やっぱり


甲高い声がドア越しに聴こえた



クソ、早く切りたい

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