無一郎の大切な幼馴染み

〃 ページ35

無一郎 目線





彼女が目を覚ました


僕の所に鴉が飛んでそう報告した





やっと、やっと！



僕は急いで彼女のいる蝶屋敷へ向かう







無一郎「A！！！」



貴女『むいくん！！？』





良かった、やっと彼女が……


………というか、どんだけ心配したと思ったか絶対わかってないでしょ、この顔は



僕はゆっくり彼女に近付く





貴女『あ、えっと…むいくん！怒らないでね、というかもう怒ってるよね！』





彼女があわあわと手を振る


怒ってるよ、物凄く

でもそれよりも心配で不安で、嬉しくて……




貴女『あ、えっと、その…(ギュッ)むいくん？』





僕はそんな彼女を抱き締める


腕にすっぽりはまる小さな彼女

こんな小さな体で無茶して



怖かった

もしかしたら、もう二度と目覚めないんじゃないかって……





無一郎「起きるの遅い」



貴女『え、私何日眠ってたの？』



無一郎「一ヶ月」



貴女『一ヶ月！？煉獄さんは？』





どうして彼女は他人を優先するのだろう

自分の方が危険だったくせに…





無一郎「もう任務に復帰してる」



貴女『良かった』



無一郎「良くない、馬鹿なんじゃないの」



貴女『ばっ！？』





僕がそう言うと、彼女はプクゥと頬を膨らませる


可愛いけど、本当にこれは彼女なのだろうか

僕の幻想ではないのか……


凄く嬉しいのに目の前にいる彼女が信じられない



僕は彼女から放して、Aの頬を両手で引っ張る





貴女『いしゃい、むいひゅん｡ゆりゅひて〜(痛い、むいくん｡許して〜)』



無一郎「………」





夢じゃない

ちゃんと彼女は此処にいる


そう理解出来、代わりに僕は両手で彼女の頬を優しく包み込んだ





貴女『むいくん？』



無一郎「本当にどんだけ心配したと思ってんの
無茶ばっかりして、俺の気持ちも少しはわかってよ」



貴女『ご、ごめん』



無一郎「本当に反省してる？」



貴女『勿論！』



無一郎｢馬鹿……｣





僕と目が合った彼女はとても驚いた表情をしていたけれど、直ぐにふにゃりと微笑んだ



絶対反省してない

でもやっと彼女の笑顔が見れた


今はそれだけで十分だ





貴女『夜で変けど……おはよう、むいくん』



無一郎「おはよう、A」





月の明かりに照らされながら、僕達は言葉を交わした

朝食→←おはよう

ラッキーカラー

あずきいろ

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