愛と歌声を失った少女【暗殺教室】 (ページ9)

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片岡「月島さん！！」

前原「月島！！」

前原たちの近くには目を閉じてぐったりとした様子で倒れているAの姿があった

前原はAを抱き起こすとこめかみから血が流れていた

岡野「大変っ…！！早く手当てしないとっ…！」

前原「おい、ハンカチとかタオルくれ！！

月島が怪我してる！」

茅野「ちょっと渚に何持たせたのよ！

月島さんまで巻き込んで！！」

岡野や前原、片岡が意識がないAの手当てをし、茅野は怒りながらも寺坂たちに言う

そんな茅野に悪びれもなく寺坂は答える

寺坂「あ？オモチャの手榴弾だよ

ただし火薬を使って威力を上げてある
三百発の対先生弾がすげえ速さで飛び散るようにな

まあ人間が死ぬ威力じゃねえよ

月島が巻き込まれたのはたまたまだったけどな」

茅野「なっ…」

前原「ふざけんな！

関係ない人間を巻き込んでの暗殺なんかしやがって！

一歩間違えれば、月島が死んでたかもしれないだろ！！」

寺坂の言葉に一番怒っていたのは前原だ
前原の腕には、いまだに目を閉じているAがいる

こめかみの血はまだ止まらず、片岡と岡野が交代しながら止血している

寺坂「ふん！

まあ俺の百億で二人の治療費くらい…」

前原の言葉に響かない寺坂は治療費くらい支払えると高を括った様子だったが、渚を見て何かに気付いた

寺坂「(無傷…？火傷一つ負ってないのか…？)」

至近距離で爆発を受けた渚は無傷だったのだ
更に薄い黄色の膜が渚を覆っていた

？先生「実は先生月に一度ほど脱皮をします」

暗殺したはずの先生の声が上から聞こえた
渚も声に気付き、膜を破って起き上がる

脱いだ皮を爆弾に被せて威力を殺したのだ
言えば月イチで使える奥の手だ

？先生「残念ながら、月島さんのほうには皮を被せることが出来ませんでしたが…」

渚と寺坂は後ろを振り向く
いまだに意識を失ったままで怪我を負っている月島がいるからだ

そのあと、先生の顔色は見るまでもなく真っ黒
ド怒りなのだ
怒りを含めた低い声で発する

生徒全員、恐怖を一斉に感じる

？先生「寺坂吉田村松

首謀者は君らだな」

吉田「えっ…」

村松「いっいや…」

寺坂「渚が勝手に…」

子供染みた言い訳をする三人
先生はマッハのスピードで教室を出たかと思えば数秒で戻ってきた

何かを抱えているようだが、その内のいくつかが足元に落ちた

落ちたのはそれぞれの家の名字が記載されている表札だ