47話 ページ20
「……そのままの意味だ。」
やめてよナワーブさん。
そんな目で、私を見ないでくださいよ。
…嫌だった。
こんな感情。私には必要ない。
人に必要以上の情を抱く事がどれ程後々自分を傷付けることになるのか、私自身理解している筈だ。
それに、このゲームがいつ終わるのか、それとも私がいつ朽ち果てるのか分からない状況下で……
希望なんて、夢なんて、抱きたくなかった。見たくなかった。
『私っ、には……無理です…あの時、あの瞬間に私はこの感情は手放した筈なんです。思い出してしまったら、もう戻れませんっ……』
ポロポロと止まることを知らない私の涙は次々と頬を伝って暗闇に消えていく。
その涙の意味は、込められた感情は。
それは何に対してなのか、それとも自己満足か。
もう、分かっていた。
気付かないフリをしていた。
心の内に留めといて、誰にも悟られないように。
「俺も…お前を見た時にまたこの感情が込み上げてきたんだ……でも、こんな地獄の様な場所で、駄目だと思った。抱いてはいけない、だから気付かれぬよう出来る範囲で雰囲気を変えたんだ。」
やめて、
私は今まで、自分に嘘をついてまで貴方を……
想ってきたのに。
暗闇に飲まれた広間は、酔い潰れた人達を隠すようにして私達の存在を主張してくる。
蝋燭の灯りが怪訝な雰囲気に不安そうに揺らめく。
「……俺は、あの時からずっと、お前が……」
宝石のようにキラキラと輝くナワーブさんの緑色の瞳が私を捉え、何かを言おうとする。
その 何か はもう分かっていた。
でもそれを聞いては、もう前のようには戻れない。
只の、お互いのことを信用している仲間。
好意などは微塵もない。
憧れで、尊敬で。
『私の、好きだった人。』
身を乗り出して彼の口に軽く手を被せ、言葉を遮る。
そして薄く、深く、息を吸い込む。
『それで、終わりにしませんか。いつ私が朽ちるのか、この荘園が消えるのか。分からない今…貴方を失う苦しみを、私は知りたくないんです。これは私の最後の我儘です。』
どうか、聞いてくれませんか…？
やっとの思いで浮かべれたのは、苦し紛れの笑みだった。
ナワーブさんは、言葉で言い表わせない程の悲しみを顔に浮かべていた。
その顔を見て私は、無意識に涙を流していた。
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おかさん(プロフ) - 今更ですが…更新…待ってます……… (2022年11月9日 20時) (
レス) @page22 id: 48fcbe9d4c (このIDを非表示/違反報告)
カシューナッツ炒め(プロフ) - うぉううぉう…めっちゃ面白いですね！！続き楽しみにしてます！！ (2021年8月24日 20時) (レス) id: ea7d5bd598 (このIDを非表示/違反報告)
RIRIKO(プロフ) - めっちゃドキドキしちゃいました!!課題って大変ですよね……無理せずに頑張ってください！！応援してます〜 (2021年4月6日 4時) (レス) id: 9b17341c39 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖 - 続きがすごく気になります…………！ (2021年4月2日 1時) (レス) id: 31e6f8227b (このIDを非表示/違反報告)
翡翠いろ(プロフ) - あかり510さん» わー！！ありがとうございます！！！告白の嵐……！嬉しいです！！（）更新全然出来てなくて申し訳ないです……！頑張りますー！！ (2021年1月18日 19時) (レス) id: c3dcbab85a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠いろ | 作成日時：2020年5月5日 2時
