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「……先輩、あのときすっごいお酒飲んでましたからね。予想はついてました。」
凄かったですよ、昨日の先輩。
そうため息をついて呆れた顔で笑うAに、罪悪感で心がより死にそうになる。俺の口から出る言葉は全部謝罪だった。
「別にいいですよ。それより、今日も仕事なんで私は先に家に帰りますね?」
「ホンマにすまん……情けねえ……」
「気にしてないですってば」
慰めるように笑いながら肩を優しく叩くAに、より罪悪感は芽生えていく。人のことは言えないが、普段あまり表情が変わらない彼女の顔が見れたことに少し嬉しく感じた。今はそんな場面ではないのだが。
「昨日の先輩、可愛かったですよ?なんちゃって」
「やめろや」
クスクスと静かに微笑みながら下着をつけ、服に着替える彼女になぜだか自分の体温が上がる気がした。普段見ることのない光景だからだろうか?分からない。
「じゃあ、また会社で」
「おう……」
未だにショックから抜けれない俺を置いてAは用意を終え、部屋から出ようと扉に手をかける。が、少しだけドアノブをひねる手を止めて濡鴉色の綺麗な髪をなびかせながらこちらをちらりと振り返った。
「言っときますけど、私が誘ったんじゃなくて先輩が手を出したんですからね?私にそんな度胸はないんで」
「へ、あ」
「昨日言ってたこと、ちゃんと思い出すか自覚したらまた教えてくださいよ。…………待ってますから」
「な、ま、待てA!……行った…………」
何やら意味深なことを言ってからAは俺のことなど無視し、今度こそ部屋を出ていってしまった。
俺が彼女の言葉を理解するまでにかかった時間は、間抜けすぎて思い出したくない。
___
彼は後輩を可愛がっていたと言ってますけど、ただの後輩にそんな表現する?と突っ込みたくなりますね。
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百瀬のえる(プロフ) - 25歳shpおじさんとjkちゃん狂おしいほど好きです先生生徒好きは実はここ発祥ですjkとshpの組合せンァ゛゛゛゛ (2020年10月8日 1時) (レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - えなさん» ありがとうございます!そう褒めてくださるととても嬉しいです…!まだ続編は決めてませんが、そのときはまた見ていってくれると嬉しいです(*´ω`*) (2019年3月8日 10時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。貴方様の綴る物語が大好きで、短編の中にも夢主ちゃんの想いや情景が繊細に書かれていて読みながらとても心を動かされています。別作品もあってお忙しいとは思いますが、次回作があるのであれば心からお待ちしております…! (2019年3月8日 3時) (レス) id: 4d21cb4889 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 柚さん» ありがとうございます!カクテルは自分の中でも一番良作だと思っているのでとても嬉しいです。期待に添えるよう、頑張っていきますね! (2019年3月3日 2時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 素敵です…特にカクテルの話が好きで何回も読み返してしまいます。これからも頑張ってください!! (2019年3月3日 0時) (レス) id: db3c90213f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜有 | 作成日時:2019年2月19日 14時