ズルい ページ30
冬休み
ぼけーと過ごしていたからか、見事に昼夜逆転した生活を送っている。
それでも親代わりに育ててくれているショッピさんは特に叱ることもせず、「まぁそんな生活できんの今だけやから、好きに過ごし。俺も好きにするし」と言ってくれた。
でも、私置いて一人でキャンプ行くのは流石にどうかと思いますよ。
それだから銀魂女子みたいなツッコミ入れるとか言われるんだよ……なんて言ったら殺されるから言わないけど。
まあ……そんなところもショッピさんらしいか。
午前4時、外は暗いままだけど台所から音が聞こえてつい見に行ってしまう。
予想通り豆電球の台所には、煙草を咥えたままのショッピさんが冷蔵庫を開けてコーヒーを入れていた。
ショッピさんも私に気づいたのか、咥えていた煙草を取ったけど近くに灰皿がないからか少し戸惑っている。
「おじさん、臭い」
「その言い方はやめぇーや」
鼻をつまみながら言えば、ショッピさんはすぐにその意図に気づいてデコピンをかましてくる。
痛い。
「痛い」
「知らんて」
カラカラと煙草を持ったまま笑えば、面倒くさくなったのかそのまま煙草を吸い始めた。
「ベランダか自分の部屋以外、吸わないって言ったのに」
暗く照らすとかいう矛盾したようなこの場所で、私は椅子に座ってショッピさんを見つめる。
ふわふわした少し伸びて目にかかっている前髪、後ろは少しだけ刈り上げられていて、目つきは眠いのか普段からか、半開き。
「まさかお前が来るとは思わんかったんよ。てか、すぐに部屋戻るつもりやったしな」
ショッピさんは私がおしゃべりをしたいのかと思っているのか、紙コップを灰皿代わりにして向かい側の椅子に座って私を見る。
「ねね、明日……てか今日暇なんだよね？なら買い物ついでに本屋さん行きたいからつれてって」
「お前連れてくってことはバイク二人乗りになるやん」
「嫌ならいいんだよ？それなら友達と行くし」
ショッピさんのコーヒーを奪い取って口をつける。
苦い。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
百瀬のえる(プロフ) - 25歳shpおじさんとjkちゃん狂おしいほど好きです先生生徒好きは実はここ発祥ですjkとshpの組合せﾝｧ゛゛゛゛ (2020年10月8日 1時) (
レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - えなさん» ありがとうございます！そう褒めてくださるととても嬉しいです…！まだ続編は決めてませんが、そのときはまた見ていってくれると嬉しいです(*´ω`*) (2019年3月8日 10時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。貴方様の綴る物語が大好きで、短編の中にも夢主ちゃんの想いや情景が繊細に書かれていて読みながらとても心を動かされています。別作品もあってお忙しいとは思いますが、次回作があるのであれば心からお待ちしております…！ (2019年3月8日 3時) (レス) id: 4d21cb4889 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 柚さん» ありがとうございます！カクテルは自分の中でも一番良作だと思っているのでとても嬉しいです。期待に添えるよう、頑張っていきますね！ (2019年3月3日 2時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 素敵です…特にカクテルの話が好きで何回も読み返してしまいます。これからも頑張ってください！！ (2019年3月3日 0時) (レス) id: db3c90213f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜有 | 作成日時：2019年2月19日 14時
