世界が羨む宝石 ページ22
青と黒を混ぜたかのような空に輝く月光。
みんなそれを綺麗だと言うが俺にとっては見慣れたもので、もはや飽き飽きすらする。
冷たい石造りの円塔に住む青年＿＿いや、囚われている青年は外の喧騒をうざったそうに上から見つめた。
どうやら今夜、巷で噂されている大怪盗がこの屋敷にある世界が羨む物を盗みに来ると予告状を出したらしい。
そんなものはこの屋敷の主人が死にものぐるいで手に入れた人を惑わすとされる紫水晶のネックレスぐらいで、警察達はそれを厳重に守っていた。
「……くだんね」
宝石宝石と慌てるが青年にとってはタダの石ころ。そんなものを汗水垂らして守っている人々を上から見ながら吐き捨てるように呟く。物の価値なんて人それぞれだが、青年にとってはガラクタ当然だったのだ。
青年＿＿ショッピは窓から目を離してこの狭い空間を見つめる。
彼は元々ここの屋敷の子供だったのだが、何故か両親にないはずの紫の瞳を持っていたことからこうして隔離されている。
悪魔の子、サタンの子なんて言われたっけか。
ムカつく気持ちや恨む気持ちは勿論ある。だが俺一人ではどうしようもないし、一応最低限の暮らしは保証されている。それに痛めつけられることもない。
あえて不満を言うなら、ただただ暇。めっちゃ暇。
相変わらず絶えない外の煩さに諦めたショッピは、ベッドに潜ればマシだろうと足を動かす。
ザワ
と、同時に外の声が変わった。
気になって覗いてみれば、どうやら宝石が盗まれたらしい。
一応この塔から警備体制は見ていたが、あれをどうやって？
噂の怪盗はなかなかの手練らしい。ショッピはその手腕に驚きながらも、結局はこの騒ぎは自分とは関係のないものだと判断して、窓から目を背ける。
「しかし……実際どうやったんやろ」
「気になる？」
「へっ？」
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百瀬のえる(プロフ) - 25歳shpおじさんとjkちゃん狂おしいほど好きです先生生徒好きは実はここ発祥ですjkとshpの組合せﾝｧ゛゛゛゛ (2020年10月8日 1時) (
レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - えなさん» ありがとうございます！そう褒めてくださるととても嬉しいです…！まだ続編は決めてませんが、そのときはまた見ていってくれると嬉しいです(*´ω`*) (2019年3月8日 10時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。貴方様の綴る物語が大好きで、短編の中にも夢主ちゃんの想いや情景が繊細に書かれていて読みながらとても心を動かされています。別作品もあってお忙しいとは思いますが、次回作があるのであれば心からお待ちしております…！ (2019年3月8日 3時) (レス) id: 4d21cb4889 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 柚さん» ありがとうございます！カクテルは自分の中でも一番良作だと思っているのでとても嬉しいです。期待に添えるよう、頑張っていきますね！ (2019年3月3日 2時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 素敵です…特にカクテルの話が好きで何回も読み返してしまいます。これからも頑張ってください！！ (2019年3月3日 0時) (レス) id: db3c90213f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜有 | 作成日時：2019年2月19日 14時
