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「煙草、いいすか」
「なら私も」
顔が赤いのはさっきのスコーピオンが大きいのだろう。一気に飲むから。
「先輩って煙草吸うんっすね」
私は鞄の中に入れっぱなしのくしゃくしゃになったタバコを取りだし、口に加え火をつけた。
「先輩が煙草吸うの、初めて見ました」
「あぁ、たまにしか吸わないから。それに煙草の煙嫌いなんだ」
というか受動喫煙。
アレって他人の煙なのに他人が被害を食らうってのが気に食わない。
お前のものが何故私に来るんだって感じ。
「煙草はね、一人の時に吸うものなんだよ」
ゆっくりと吸い込み、吐き出す。
「煙苦手なのに、吸うんすか」
どこか困惑の色を出すその彼の声は、私にとっていつの間にか安心をもたらすものとなっている。
「知らない人の煙が嫌い。お前の出したものを人に押し付けるなって。ああ、けど服に染み付いた煙草の匂いは嫌いじゃないかも」
ショッピ君は私の煙草嫌いに動揺を隠しきれてないようだ。
そりゃそうだ。嫌いなのに吸ってて、一人のとき吸うと言っているのに今は彼がいる。
煙草は相変わらず不味い。
「そうだ、そうだった。お酒もそうなんだよ。他人に吐き捨てられるあの感覚が嫌いだったんだ」
私もかなり酔ってきているようだ。
いつもはこんな事、誰に言わないし言う必要ないし、彼とはそこまで仲がいいはずじゃないのに。
なんで誘いを受けたんだっけ。
「ねぇせんぱ、」
「だから本当に困った。こんなこと初めてなんだよ、ショッピ君」
「……何がっすか」
彼が煙草に火をつける前に私があんな発言をしたからだろう、彼は吸おうとしなかった。
ショッピ君が困惑するのも分かる。
私が今言っていることは彼がしてきた行動を否定するものだから。
しかし私は彼の問に答えない。
「ね、お互いに空になったよ」
ピッとショッピ君のグラスを指差す。
それと同時にショッピ君の瞳を見つめる。
「ほら、次は？」
普段彼がするように、私も挑発してやる。
ほら、まだまだ終わらない。
「はぁ……先輩って、案外いい性格してますよね」
「褒め言葉？」
「えぇ、憎たらしいほどに」
ショッピ君は顔を両手で抑え隠してしまった。
駄目だよ、私、まだ君の顔を見ていたいのに。
「……セプテンバーモーン」
「セプテンバーモーン？駄目だよ、それは。私はそれじゃあ酔えない」
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百瀬のえる(プロフ) - 25歳shpおじさんとjkちゃん狂おしいほど好きです先生生徒好きは実はここ発祥ですjkとshpの組合せﾝｧ゛゛゛゛ (2020年10月8日 1時) (
レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - えなさん» ありがとうございます！そう褒めてくださるととても嬉しいです…！まだ続編は決めてませんが、そのときはまた見ていってくれると嬉しいです(*´ω`*) (2019年3月8日 10時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。貴方様の綴る物語が大好きで、短編の中にも夢主ちゃんの想いや情景が繊細に書かれていて読みながらとても心を動かされています。別作品もあってお忙しいとは思いますが、次回作があるのであれば心からお待ちしております…！ (2019年3月8日 3時) (レス) id: 4d21cb4889 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 柚さん» ありがとうございます！カクテルは自分の中でも一番良作だと思っているのでとても嬉しいです。期待に添えるよう、頑張っていきますね！ (2019年3月3日 2時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 素敵です…特にカクテルの話が好きで何回も読み返してしまいます。これからも頑張ってください！！ (2019年3月3日 0時) (レス) id: db3c90213f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜有 | 作成日時：2019年2月19日 14時
