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「じゃ、お疲れ様です」
6時になってすぐにパソコンを閉じ、帰る支度をする。
「Aー、今日飲みに行かへん？」
「断る」
「知っとったわ」
私の隣にいるけらけらと笑う、黒髪眼鏡で普段は静かだけどスイッチが入ったら五月蝿いと定評のある捏島が飲みに誘ってくるも、私はそれを断る。
一回金髪に染めてみたいと言っていたが、仕事柄出来ないんだと残念がっていたのを何故か思い出した。
水色の瞳を輝かせながら続けて話しだす。
「お前たまには来いって。上司にまた神田おらんのかーって言われるねん」
「完全にお前の私怨じゃねぇか」
そらそうや、当たり前やろ？と言う男にはムカつきはするが全く持って同意見だ。
「お前彼氏なんておらんやろ、予定あるん？」
「少なくとも飲み会よりは有意義」
肩をすくみため息まじりに言えば、捏島は同意を示す。
「ま、俺もほとんど行かんけどな」
「君より他の同僚達のほうが私の愚痴聞いてるでしょ」
「ホンマになぁ」
それでも飲みに行きたくないので同僚達には悪いが、飲み会を断り、捏島に挨拶してからコートを羽織って帰る。
外は寒い、冬は嫌いだ。
口元まで覆ったマフラーと手袋をつけて近くのコインパーキングまで歩く。
「はじめまして、か」
昼頃の会話を思い出す。
茶髪で、ふわふわの名前は忘れたが、取り敢えずちょっとオシャレな髪型。
無表情で少し生意気そうな、でも丁寧でけだるそうな、あの紫の瞳。
「そうだね、はじめましてだ」
独り言を零し、車の中に入ってエンジンをかける。
アクセルを踏む前に、チラッとサイドミラーで己の顔を見てみる。
「前世の知り合いです、なんて信じてもらえるわけ」
彼女は、前世の記憶があった。
小学校の頃に前世を思い出し、困惑しながらも生活していったのを思い出す。
勘違いでは？とも思ったが、思い出したあとから小学生の知るはずない数式や漢字が分かったため、これは偽物の記憶ではないと確信したのだ。
そして、前世を覚えているAは、恋慕していた相手がいる。
それが、先程の西原の横にいた、彼。
他人の空似に決まっている。
声も、身長も、動き方も、全て一致していたけど、違うに決まっているのだ。
「……今日は松屋で大盛り2杯頼むか。温玉付きで」
それにたとえ同じく転生してたとして、相手に記憶があるかなんて分からない。
というか、髪は短いとはいえほとんど変わらない自分に反応しなかったということは、そういうことなのだ。
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百瀬のえる(プロフ) - 25歳shpおじさんとjkちゃん狂おしいほど好きです先生生徒好きは実はここ発祥ですjkとshpの組合せﾝｧ゛゛゛゛ (2020年10月8日 1時) (
レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - えなさん» ありがとうございます！そう褒めてくださるととても嬉しいです…！まだ続編は決めてませんが、そのときはまた見ていってくれると嬉しいです(*´ω`*) (2019年3月8日 10時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。貴方様の綴る物語が大好きで、短編の中にも夢主ちゃんの想いや情景が繊細に書かれていて読みながらとても心を動かされています。別作品もあってお忙しいとは思いますが、次回作があるのであれば心からお待ちしております…！ (2019年3月8日 3時) (レス) id: 4d21cb4889 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 柚さん» ありがとうございます！カクテルは自分の中でも一番良作だと思っているのでとても嬉しいです。期待に添えるよう、頑張っていきますね！ (2019年3月3日 2時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 素敵です…特にカクテルの話が好きで何回も読み返してしまいます。これからも頑張ってください！！ (2019年3月3日 0時) (レス) id: db3c90213f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜有 | 作成日時：2019年2月19日 14時
