【wrwrd】好きって言うから聞いとけ先輩！！！【ut】 (ページ4)

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告白4回目！ページ4

いまいち授業に身が入らず、気づけば午前中が終わっていた。

お弁当をパクパクっと食べ、友達に断りを入れてその場をあとにした。
トントントンっと渡り廊下へと続く階段を軽やかな足取りで上り、外へ足を踏み出す。朝同様に生ぬるい風が私の頬を撫で、照りつける太陽のせいでじわりと汗が滲んだ。

授業では滅多に使われない別棟の一番奥にある空き教室に鬱先輩はよく居る。そのことに気づいてから私は毎日通っているのだが──。
別棟の奥の方から歩いてきたであろうふわりと花の香りを纏った女生徒とすれ違う。

割とこういうこともあるので必ずしも素敵な気持ちで先輩と会えるという訳ではなかった。

真っ白な肌に愛らしい瞳、プルりとした血色の良い唇。艶やかな髪に華奢な手足。

ここですれ違う人達は大抵見目が良く、情けないことに嫉妬心がぶくぶくと膨れ上がりいつもいつも惨めな気持ちになってしまう。
そして先輩はやっぱり私の事好きじゃないんだという事実を突きつけられているようで苦しかった。

恋をするって幸せな気持ちになることもあるけれど、実際は辛いことの方が多いような気がする。それを含めて恋と呼ぶと知っていたとしても辛いものは辛い。それでも歯を食いしばって笑うのだ。

この恋が今までの人生で1番の恋だと証明し続けるために。

暗い気持ちに追い払うように2、3度頬を叩いて気合いを入れ直す。
そして目の前の扉をノックすれば中から「どうぞ～。」と声が返ってくる。
そっと扉を開けて中を覗けば先輩がこちらを向いていた。歩みを進め先輩との距離が1mを切ったところで立ち止まる。

「先輩、好きです。」
「俺も好きやで。」

開け放たれた窓から一際強い風が吹き込み、攫われた髪によって先輩の表情は見えない。

手を伸ばせばその頬に触れられるほどの距離。
それなのに私の言葉は今日も届かない。

悔しくて、悲しくて

「ダウト！」

そう言って笑ってやった。