実は私、妹なんです。２

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さ「Aちゃん、だいじy」


「っ、...」


さ「.....よしよし、...怖かったな
頑張ったやんか一人で、偉いな？」



俺が名前を呼んだ瞬間、ぽすっと腕の中に
飛び込んできたAちゃんは震えていた
きっと言われへんかったんやろな、雷が怖いって
子供っぽいとか そういう事とか考えそうやし
うらさんはお見通しやったけど きっとそれまで
ずっと一人で耐え忍んでたんやな...

そう思うとおれも抱き締め返してやりたいのだが
女の子を抱きしめた事なんて今までの人生で
一度だってないから普通に緊張するしこういう場面で
どうしたらいいのかも分からん
とりあえず ぎこちなくもうらさんがライブ中に
抱きついてきた時を思い出しながらそっと
背中に手を回して優しくポンポンとする。
けどそれはうらさんとはもちろん違って
うらさんよりも小さくて細くて華奢で
ポンポンするだけでも折れてしまいそう



さ「....玄関やと寒いし、リビング行ける？
なんかあったかい落ち着く飲みもんとか飲もう」


「...はい..」


さ「よっしゃ、ゆっくりな？大丈夫やから
おれが来たから多少のことはやったるからな？」




リビングまで連れて行くと部屋は暗くて
テレビも付いていない所を見ると、ここにずっと
居たってわけではなさそう。体調悪い言うてたし
寝室でゴロゴロしとったんかな..
タオルケットも持ってるし。

とりあえず電気をつけてソファへと座らせると
ようやくAちゃんと目が合った。
目の周りは赤いし まだ少しまつ毛に雫がついている。
おれは目線を合わせるようにしゃがみ込むと
Aちゃんもゆっくり視線を合わせるように下げた



さ「なに飲みたい？勝手にキッチン漁るけどええ？」


「わたし、やりますよ..坂田さんは何飲みます？」


さ「ええよ座ってて？キッチンとか冷蔵庫とか
触られたくなかったらごめんやけど...」


「いえ、そんな事....棚に、粉末のココアやつが
あってそれはお湯で出来ます、お湯は瞬間湯沸器が
同じ棚の所に炊飯器の横にあります
あったかいのは...ココアと、コーヒーと
レモンティーとレモネードがあります」


さ「コーヒー貰うね？待ってて」




こくっと頷くAちゃんを確認してから
立ち上がってキッチンに向かい食器乾燥機にある
Aちゃんのマグカップであろうものと
きっとうらさん用だろう 緑色のたぬきが描かれてる
マグカップを勝手に拝借しコーヒーとココアを作る

その間Aちゃんは微動だにせず
タオルケットに包まって小さくなっていた

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