狂愛疾患

第43話 跡部side ページ46

跡部side

互いに夕食は済ませており、夜も遅いことから流されるままにシャワーに入り、同じベッドで自然と寝ることになってしまった

いつもよりもずっと狭いベッド
だが、悪くない。逆に満たされるようだ

右は壁、左には幸せそうに眠るA


Aを見つめれば見つめるほどに頭や胸…いや、身体全体が幸せと愛情…温かい気持ちで満たされる

やはり、ムードも大切だ

Aの家の周りだけに雪を降らせて正解だな

多少時間がかかってしまったが我ながらいい考えだった

貴方『会いたかったｯ…ずっと寂しかった』

俺様の鼓膜を直に揺らしたAの言葉……

気持ちが高まりギュッと胸が締め付けられる

……………なぜ会いに来なかった？

正直、シャイなAの事だ。ここまで素直に求められるとは予想していなかった
泣くほどだとはな

理由はなんだ…泣くほど寂しいのに会いに来なかった理由

Aの嬉しそうな態度を見る限り、本人に問題はないように見える

と、なるとおおよそ立海か…俺様のAに何を吹き込んだ

貴方「景吾？怖い顔してる…眠れないの？」

眠たそうにAが聞いてきた

あぁ…久しぶりの本物のAだ

跡部「少し目が覚めただけだ…この部屋は少し寒いな。こうやって寝よう」

そう言ってもぞもぞとAの柔らかい身体を抱き締めればAはちんまりと収まり

貴方「うん」

と、見上げてふにゃりと笑いかけた

以前のAならしなかった


ﾁｯ……認めたくはないが恐らく立海のお陰だろうな


……もうこのまま、立海でも氷帝でもない2人だけの世界にいけたらいいのに


そんな理想を抱いて俺様は目を瞑った

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