狂愛疾患

第31話 後半柳side ページ38

貴方side

〜〜部室〜〜

部室に置いていった荷物を人に見つからないように、なおかつ弦一郎が来るよりも先に行動しないと

早く帰ろう

こんなのやってらんない、家に帰ってプリン食べて、ゆっくりしてから作戦考えないと…


…まさか、弦一郎にあんなこと言われるなんて思わなかったな…

はぁ…とため息を吐けば涙が滲む

なんで…いつもこうなんだろ
弦一郎は違うと信じてたのに…
諦めたい

日吉『A先輩』

……まだ逃げちゃだめだ。悲観的になるな…やれることは全部しないと……

そう思えば思うほど、何も上手くいかない自分が惨めで泣けてるくる

あぁ……

貴方「若に会いたい」

ずっと私の中にある願いはまだ叶わない

そんなことは知ってるんだから早く涙を拭って帰らないと

そう思ってドアを開け、外に出れば少し遠くに特徴的な黒いもじゃもじゃが走っていた

貴方「赤也？」



〜〜？日後〜〜

柳「おおよそ、Aの言う"やること"について目星はついた」

外の天気が悪くなってきた頃、俺は花と一緒に精市の病室に行った

幸村「へぇ…聞かせてくれる？」

先日、精市はAに受け入れてもらったと自慢げに俺に話していたせいか随分と余裕そうに笑って聞いた

柳「ただの友人になることだ」

幸村「……は？」

柳「あくまで俺の考えだ」

幸村「どうしてそう考えるんだい？」

ビリッと空気が攻撃的になる

柳「前に仁王にあの日のことを詳しく聞いてな、Aは仁王に丸井と同じように友人として接してほしいと頼んだそうだ」

途中で忍足のことがバレて逃げられたけどな。付け加えたが精市の様子を見る限り耳入っていないようだ

柳「あくまで俺の考えであり鵜呑みにするひつ……幸村「Aはいつも俺に詳しいことを話してくれないんだ。いつも俺から求めてばかりでさ、はぁ…さっきの蓮二の言葉を聞いて分かったよ。俺がどれだけAを特別扱いして大切にして愛しても、Aは気づかないフリだ。ずっとここにいる約束はしたけど所詮は口約束。やっぱり誓約書を書かせるべきだったかなぁ…可愛さ余って憎さ百倍ってまさにこの事だよ。なぁ、蓮二、俺はどうしたらいい？ただ、Aを楽にさせたいんだ。ずっとこのままじゃAが辛いだけだろ？妹の絵本ではいつもお姫様を救うのは王子様の役割で友人じゃない。俺は…俺はAを救う王子になれないのか？誰よりもAのことだけを考えているのに…」

第32話 ほぼ切原side→←第30話 後半真田side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す