狂愛疾患

第25話 ページ30

貴方side

〜〜授業中〜〜

雨に打たれてるとき私は悟った

もう絶対に彼らは戻らないって

それならもう少しでも病ませないようにしないと…
きっと彼らが病むのは不安だから
なら少しでもみんなの不安を取り除かないと……

安心させれば束縛だってしなくなるはず
いや、束縛する必要性を無くせば問題ない

精市は夏まで入院するしリハビリだってある

時間はいっぱいあるんだから焦らずに行こう

そもそも、みんなをこんな風にした私が悪いんだから……

雅治を頼ったり、ブン太に向き合わないと……

きっと……きっとそうすれば上手くいく
人は追いかければ追いかけるほど深みにハマる…

なら、自分から相手の方に行けばいい


……………………若にも初めからこうしとけば良かったのかな

景吾にこのことを伝えたらなんて言うんだろ…


〜〜部活〜〜

柳「なぜ宍戸は来たんだ？」

……なんて言お
本当のことなんて言ってもろくな事にならないし

貴方「えっ……と、最近のテニス部？あっ、近況報告的な？」

じっ……と見られて少しの沈黙が流れる

きっと蓮二は私が嘘をついてる事を分かってる
でも、どうか触れないで…

柳「妙だな。氷帝の宍戸がわざわざ立海に来てその話をするのは」

蓮二は顎に手を当てて考えるような仕草をする

うぅ……本当のことなんて絶対に言いたくないのに
隠し通せる気がしない

柳「俺が信用できないのか？」

しゅんとしたようなに言われて罪悪感が燻られてしまう

貴方「ち、違うの…ただ、その…あんまり言いたくなくて…」

柳「……酷いことを言われたのか？」

ゆっくり頷けば蓮二は呆れたようにため息をついてる

柳「正直、今すぐ氷帝に行って一言言いたいところだが…Aがその様子ならやめておこう。…しかし、跡部には伝えなくていいのか？」

景吾に伝えてないこと…知ってるっけ？

貴方「景吾には言わないよ。やっぱり正しいのは亮くんだし…これ以上あそこには迷惑はかけられない」

そういえば蓮二は私の頭を撫でて

柳「あんな事を言われたのにAは我慢強いな…………そうだ、申し訳ないが明日の放課後に精市の見舞いに行ってくれ」

貴方「うん、分かった」

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