Hmieさん短編集 (ページ2)

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私はポケットの中から小袋に詰めたチョコを取り出す。
慌てすぎたのか一緒にポケットに入れていた自分用の飴まで落としてしまい、

(も～～～！！！！なにやってんの私！！)

と心の中で自分を叱責しながら、急いで拾い上げる。
そんなことをしている私を優しい彼が無視するわけもなく

「はは、そんな慌てんでええよ。俺別に逃げんから笑」

そう言って一緒に拾ってくれる。

「あ、ありがとうございます…ってそうじゃなくて、あの、これどうぞ」

改めてチョコの入った小袋を彼に渡す。

「え、なんでなんで。急にどしたん？」

彼は不思議そうに私を見つめる。そりゃそうだ。いきなり新人マネージャーにこんなもの渡されたら何事かと思うだろう。私みたいなタイプだと特に。

「これは、その、休憩時間とかに…よかったら。あ、別に変なものとか入ってないし入れてないので、！買ったものですし！安心して食べられると思います！」

不信感を持たれているのは当然だろうと私は慌てて言葉を付け加える。
すると、

「何やねんそれ！そんなん疑ってないわ！笑」

と嬉しそうにツッコミを入れてくれる彼。

「じゃあこれありがたく貰うな。ありがとな！」

そう言って彼はまた優しく笑いながら、最後に私の頭をぽんぽんとして今度こそ席に戻っていく。
何が起こっのか理解するまで私は数秒間楽屋に突っ立ったままだった。