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久しぶりのケンカだったのと相手が年上の男だったのとで結構体力が削られた。
「クソっ・・・!」
「おいお前ら!明日もここに来いよ!パイセンら連れてくっからな!」
先輩らは鼻から流れ落ちる血を拭いながら走り逃げていった。
『何回でも来いよザーコ!』
「んだよ小学の時の先輩よりよえーんじゃね?」
『何言ってんだよボコボコのくせに』
「んな事言ったらおめーもじゃねえか!」
「『あははっ』」
その後怪我の手当をするために場地の家にお邪魔することになった。
「カーチャン客〜」
『お邪魔します』
「え?!女の子?!まさか彼女?!」
場地のお母さんはなかなかの美人で場地の謎の色気はお母さん譲りであることが分かった。
『あはは、違いますよ〜。今日圭介くんが早速先輩に喧嘩売って私はそれに巻き込まれただけでー』
「ちょっと圭介あんたこんな可愛くてモデルみたいな子怪我させるなんて。ちゃんと手当してやんなさいよ」
「わかったからもういいだろ。ホラ行くぞ」
「あなた名前は?」
『AAです。』
「Aちゃんね。うちのバカ圭介が巻き込んじゃってごめんね。それとケンカは程々に!後でお菓子持ってくからゆっくりしてってね」
『はい。ありがとうございます』
可愛らしいお母さんのマシンガントークが終わり入った場地の部屋は意外にも片付いていた。
『へえ。綺麗にしてんだな』
「野良猫入ってくっからな。窓とかもずっと開けてんだよ」
意外な趣味だった。
『ははっ、猫って。柄じゃねーな』
「うっせ」
そしてこれまた意外で、手際よく手当する様は正に看護師のそれだった。
『へえ、器用なんだな。ケースケクン』
「あ?」
『いや、お母さんが言ってるの聞いたらなんか可愛く思えてきて』
「可愛かねーよ。やめろ」
『いーじゃん圭介くん』
「やめろって・・・くん呼び慣れてねんだよ」
またまた意外な一面。
『へえ・・・圭介ってイケメンだから女子侍らせてそうって思ってたけど』
「はべらせるってなんだ?」
『まあ喧嘩はするし侍らせるもわからん奴に寄ってこんか』
「はあ?!女くらい寄ってくるわ!」
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作者名:あんころもち | 作成日時:2021年9月13日 22時