-実況者- 【私が必要なんでしょ？】② (ページ3)

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緊張した体にココアは染みわたった

『ココアとか可愛いね』

「コーヒーとか飲めなくて…子供ですよね笑」

私がすいません、と笑うとフジさんはきょとんとした顔をして

『何で？俺はすごく可愛いと思うけど、悪いことじゃないよ、』

「は、、は、ぁ、ぇ」

『ところでさ、Aちゃんは彼氏とかいるの？』

"います"と言えない、付き合ってるかどうかわからないのだから。

黙っている私にフジさんはおちゃらけたように、

『もしかしてキヨとか？笑』

と笑う、私は何も答えずにどうしようかと迷っていると

『訳あり…かな？話聞くよ？』

そういって珈琲を飲んだ

私はレトさんに話したように事情を説明した。

「…ってことです。」

『なるほどねぇ…』

フジさんは考えるように宙をみる。

『…でもさ、付き合ってるなら電話とかすると思うけどなぁ、連絡とれないとか不安じゃん』

確かに一理あると思う、私が返信しないまま日を跨いでも何も急いだ様子は無かった。

『それに、生放送であんなことあった後なら尚更連絡しないとダメでしょ？』

あんなこと、ももにゃんさんのことだろうとすぐにわかる、

私はやっぱり付き合えたと勘違いしていたんだ、

「何か…暗い話しちゃってごめんなさい笑」

悲しい気持ちに蓋をして私は、笑って誤魔化す。

『あんさ、Aちゃん』

「はい。」

フジさんは真っ直ぐと私を見つめて言う

『泣きたかったら泣いていいし、謝ることじゃないよ。』

目の前にいるフジさんは私が好きなフジさんと何も変わっていなくて、

「ごめっ、なさ…い」

人の優しさに触れると自分の弱さを感じて涙が溢れる。

『それに、キヨがどう思ってるか知らないけど…』

フジさんは私の手をそっと包み込む。

『俺も好き、だしさ？』