-実況者- 【私が必要なんでしょ？】② (ページ4)

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『俺も好き、だしさ？』

…え？

フジさんが私を好き？

「えっ？」

『一目惚れ…しちゃったみたい』

照れたように頭をかきながらフジさんは言う

"一目惚れ"

私の涙はいつしか止まっていて、頭は混乱していた。

『Aちゃんが俺のこと好きっていってくれたじゃん？』

あの最悪な出会いが

『俺あんまりちゃんと答えなかったけど、あの瞬間に落ちてたみたい。』

フジさんからしたら、

『彼女とも別れたし、俺本気だから。』

恋が始まる瞬間だったってこと？

『好き…だよ』

照れたように笑うフジさんは可愛くて、

でもなんで？

ときめかないのは何でなんだろう…。

「しらなかっ…たです…」

『そりゃ気づかないよ、キヨは知ってるけど。』

頬杖をついて外の景色を見るフジさんはかっこよくて、

キヨは知ってるけど…？

あの時のキヨと言い合ってたことかな、

でも、そんな私の事好きなんて

まさか…ね、

いつの間にか私は自分に好意のある人なんているわけがないんだ、と思うようにした。

きっとフジさんも私を元気付けてるだけだよ。

勘違いしちゃだめ、何もいいことないんだから。