最初の花を、あなたに。【鬼滅の刃】

最初の花を、あなたに。 ページ2

あれから年月は流れ、時代も変わり…時は令和時代へと移った。









今日はここ、キメツ学園の入学式。









そして、胡蝶しのぶも今日からここの学生になった。









正直、胡蝶は新たな場所に心踊る、なんてものは無かった。









人生2週目な上、なんせここには以前の仲間達…柱が皆揃っているのだから。









何が気に入らないといえば、大抵の柱が自分より上の立場になってしまったことだろうか。









甘露寺と伊黒は1つ上の学年、その他の皆は不服だがこの学校の教師として勤務している。









時透は未だ中等部にいるが、入っている部活動のため高等部に顔をよく出しているらしい。









そして何よりも、胡蝶を含め皆例にも漏れず記憶もち。









胡蝶としては、これから冨岡や煉獄、宇髄の訳の分からぬ教えを受けなければならないという事実に、頭が痛かった。









だから、高等部に上がることなんて、大して嬉しいとも思わない。









でも。









そんな胡蝶にも、一つだけ心待ちにしている事があった。









キメツ学園は中高一貫。









高等部にはエスカレーター式に上がることが出来る。









ただ、キメツ学園は高等部への外部入学も行っている。









そう、









Aが、ここに来てくれるかもしれない。









中等部の頃から柱がこれだけ集まっているのに、何故かAだけは入学してこなかった。









中等部の入学式の日、血眼になってAの姿を探したのを覚えている。









結果、クラスを回っても学校中を探しても、Aの姿は無く。









胡蝶にとってあの時の絶望と言ったらなかった。









それどころか、A以外の柱たちは比較的幼い時に今世での出会いをしているのにもかかわらず、誰一人としてAの姿を今世で見た人はいないのだ。









だから、高等部になれば何か変わるのではないかと、









編入してきてくれるのではないかと、









胡蝶は珍しくそわそわと浮き足立っていた。









入学式を終え、各クラスへ向かう途中、中庭で煉獄とすれ違う。









鬼の消えた今、日輪刀を振るうことは無くなったが、煉獄の実家は剣の道を教えているため、その逞しい姿は以前とさして変わらない。

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