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「 え…… 」
「 あほ、遅い 」
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自分の部屋の前に立っている人物に
思わず目を見開く。
嘘でしょ。
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見慣れた赤いパーカーに、
真っ黒な髪は確かに。
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「 重岡、くん 」
「 どこいっとってん 」
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メールも返さんとよ、と
拗ねたように言う彼に調子が狂う。
いつも、私のことなんか何も気にしない癖に。
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こんな時に限って。
また好きになるようなことしてくるじゃん。
狡い。
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ぐいっと体を引かれ、
気づけば重岡くんの腕の中。
私の好きないつもの柔軟剤の香りが広がる。
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重岡くんの腕の力が強くなる。
直感だけだけど、いつもと違う。
そう思った。
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「 誰？ 」
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突然の言葉に意味が理解できず、どもる私。
重岡くんは、それをどうとったのか
怒ったような声色で話し続けた。
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「 これ、誰の匂い？ 」
「 え？ 」
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私は、普段から香水などを付けたりしない。
それに今まで重岡くんが
そんなことを聞いてきたことはない。
その時、私の頭をよぎったのは
小瀧くんの甘い香水の香りと
抱き締められた時に感じた温もり。
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何も言わない私を
重岡くんは引き離し壁に押さえつけた。
私の顔の横に手をつき
鼻と鼻がくっつきそうな程顔を近づける。
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やっぱり、今日の重岡くんはちょっと変だ。
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「 俺、この匂い嫌いや 」
「 え…… 」
「 他の男と居ったんやろ 」
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重岡くんの問いかけに答えられないまま口ごもる私。
そんな私に、重岡くんは更に顔を強張らせた。
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「 お前は、俺だけ見とったらええねん 」
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そう言った重岡くんは
私の唇に自らの唇を引き寄せた。
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初(プロフ) - カジャさん» ありがとうございます！長くなりそうですが更新早くできるように頑張ります！ (2016年12月29日 18時) (
レス) id: 96a74a2a13 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 更新頑張ってください。完結したら読みに行かせていただきます！ (2016年12月29日 11時) (レス) id: 59f95dacc4 (このIDを非表示/違反報告)
初(プロフ) - 小柚さん» ゆったん！ありがとう！（笑）頑張るね！ (2016年12月16日 18時) (レス) id: 96a74a2a13 (このIDを非表示/違反報告)
小柚(プロフ) - 展開楽しみ！！あ、ゆったんです（笑）更新頑張ってね！！ (2016年12月16日 17時) (レス) id: 8edbdd9245 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：初 x他1人 | 作成日時：2016年12月16日 16時
