＊20 ページ20
．
隣で珍しく静かに、映画鑑賞をする重岡くん。
赤色のパーカーに、灰色のスウェット。
完全に寝巻き。
．
『 彼氏、ですか？ 』
．
昨日の小瀧くんの言葉がふと頭をよぎる。
ちら、と隣を見ると
テレビ画面に夢中になる重岡くん。
その目からはどこか
諦めや失望感が漂っているような気がした。
．
重岡くんはまだ、沙穂のことが好き。
．
そんなことにはとっくに気付いている。
それは変えがたい真実だ。
なのに、私は諦めがつかなくて。
沙穂が言うに１番駄目だという
" 中途半端 " な位置を彷徨いている。
ここから抜け出そうともがいてみるけれど
細やかな抵抗は無駄に体力を奪うだけ。
．
私は君の彼女にはなれないし。
私は君を友達だと割り切ることも出来ない。
．
わかっている。
彼が、そんなに長い間片想いをする程の人でもないことも。
．
わかっている。
こうして家にきてくれることを、嬉しいと思ってはいけないことを。
．
わかっている。
彼にとって私はただの道具で、都合の良い存在なんだってことくらい。
．
ぼぅっとしていた。
映画を見ていたはずの数時間の間
ずっと重岡くんの横顔ばかりを見つめていた。
気づいた時には
テレビ画面は暗く、静かな曲と共にエンドロールが流れていた。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 202人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「中間淳太」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
初(プロフ) - カジャさん» ありがとうございます！長くなりそうですが更新早くできるように頑張ります！ (2016年12月29日 18時) (
レス) id: 96a74a2a13 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 更新頑張ってください。完結したら読みに行かせていただきます！ (2016年12月29日 11時) (レス) id: 59f95dacc4 (このIDを非表示/違反報告)
初(プロフ) - 小柚さん» ゆったん！ありがとう！（笑）頑張るね！ (2016年12月16日 18時) (レス) id: 96a74a2a13 (このIDを非表示/違反報告)
小柚(プロフ) - 展開楽しみ！！あ、ゆったんです（笑）更新頑張ってね！！ (2016年12月16日 17時) (レス) id: 8edbdd9245 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：初 x他1人 | 作成日時：2016年12月16日 16時
