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．
小瀧くんの腕に軽く力が込められる。
私達2人の間の隙間はほぼ埋められた。
小瀧くんがしているのであろう
男性にしては甘い香水の香りが私の周りにふわりと広がる。
走って逃げた美樹ちゃんの気持ちも
今私を抱き締める小瀧くんの気持ちも
なんとなくわかったような気がした。
切れかけの暗い蛍光灯が、私達を照らす。
この後、どうしたらいいんだろう。
どうするべきなんだろう。
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そんな時、バッドタイミングというか、グッドタイミングというか。
私がたった1人にしか設定していない
大して好きでもないバンドの曲が私の携帯から鳴りだした。
重岡くん、だ。
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そう気づいた途端
私は小瀧くんを突き飛ばしていた。
小瀧くんは、ふらりと体制を崩し床に倒れた。
重岡くんがちらり、と頭をよぎっただけで
彼以外の男性である小瀧くんを思わず拒絶してしまった。
自分で自分に何しているんだ、と言いたくなった。
小瀧くんからもし、付き合ってくれと言われても
断るつもりしかなかった。
でも、今のはあまりにも酷いだろう。
驚き、目を見開いてこちらを見る小瀧くん。
鳴り続けるバンドの曲。
サビまで聞いて初めて
この曲が最近流行ってるCMソングだということに気づいた。
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私は自分のデスクの上にある携帯を手に取り
ディスプレイの中にある通話ボタンを押した。
こんな時でも、体は冷静で重岡くんからの電話に出ないなんて選択肢は無かった。
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『 もしもし、A〜 』
「 どうしたの、重岡くん 」
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いつもの重岡くんの声。
胸がドキドキと高鳴るのを感じる。
" くん " をつけて呼んだことから
相手が男だわかったのか小瀧くんの顔があからさまに曇る。
重岡くんはいつも
私の予定や気持ちなんかはお構いなしだ。
だから、今私が男といようが
その男が私に告白したばかりであろうが
重岡くんには関係ないのだ。
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『 この間さ、ていうても結構前やけど、Aの家でDVD見たやん？あれの新作買った？ 』
「 うん、買ったよ 」
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良かったら一緒に見ない？とは言えなかった。
断られるのが怖いからだ。
私はいつも誘われる側で
重岡くんはいつも誘う側。
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彼は私が断るなんて、思ってもいないんだろうな。
だからといって
私が重岡くんの誘いを断ることはない、絶対に。
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初(プロフ) - カジャさん» ありがとうございます！長くなりそうですが更新早くできるように頑張ります！ (2016年12月29日 18時) (
レス) id: 96a74a2a13 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 更新頑張ってください。完結したら読みに行かせていただきます！ (2016年12月29日 11時) (レス) id: 59f95dacc4 (このIDを非表示/違反報告)
初(プロフ) - 小柚さん» ゆったん！ありがとう！（笑）頑張るね！ (2016年12月16日 18時) (レス) id: 96a74a2a13 (このIDを非表示/違反報告)
小柚(プロフ) - 展開楽しみ！！あ、ゆったんです（笑）更新頑張ってね！！ (2016年12月16日 17時) (レス) id: 8edbdd9245 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：初 x他1人 | 作成日時：2016年12月16日 16時
