いつも心に太陽を！！ (ページ3)

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どこですか、ここ。ページ3

【Side 日髙竜太】

初めて会ったファンの子、その子の腕を掴んでメンバーから遠ざけるようにして俺たちは少し走った。

「ごめん、いきなり走らせて。泣いてたのに」

掴んでいた腕を離し、俺の感情を整理しようとこめかみを押さえた。

「初対面だよな...なんで2人っきりになろうと思ったんだっけ...嘉将たちに見られたくなかったから？...なんで見られたくないんだ...独り占めしたいから？...でも俺らのファンだって言ってくれたし、みんなに知ってもらう方があの子としても良いんじゃないのか...じゃあ俺はなんであの子を嘉将たちから遠ざけた？...」

うーん、と唸っていると彼女が心配して声をかけてくれた。

『大丈夫、ですか？』

「ごめんなさい！大丈夫です！」

脳内でまとまりきらない考えを片隅に置き、彼女の方に体を向けた。

「勝手に連れてきてすみません、俺は日髙竜太って言います。差し支えなければお名前伺っても...？」

突然事務所から連れ出し、いくらファンと言えど驚かない人は居ない。知っているであろう俺の名前をもう一度告げ、彼女の名前を聞いた。

『えっと、佐野A、です』