捨て犬と先輩 3【HQ】

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付き人の言うことは、間違っていないしむしろ正しい





言ってる事はしっかりと理解出来ている







だけど…







｢彼にお礼と事情を説明したいです｣








牛島さんはわざわざ時間まで合わせて、違う駅なのに付き合ってくれてる






いきなり何も言わず、なんて失礼過ぎる気がした







｢貴方が言ってる事はわかります




だけど、もう少し時間をください｣








どうしても欲しい




この時間が。







私は付き人にそう言って頭を深く下げた







この話の内容からして、付き人はその願いを拒否しなければいけない






本当なら。






それを分かっていたから私は頭を下げた







彼に会う機会なんてないし、時間まで割いてくれて、迷惑も沢山かけた







『…』






彼は1度否定はしたものの、私がしつこいからか少し考えてくれていた







自分の口でお礼をしなきゃ。







胸が痛い






苦しい







分かってる





分かってる








これは牛島さんの事だけじゃない事くらい。







付き人は言わなかったけど同様に及川もそうだろう。






だから多分昨日あんな事を聞いたんだ







"毎日来てるんですか？"






………………








『…分かりました



但し、決勝の試合までにしましょう』








私は頭を上げると、付き人は優しく微笑んでいた







｢貴方が付き人で良かったです｣







心の底からそう思った。





これは二人の秘密でもある事。








……よし。





まだ話す事も決めてないけど、時間を貰えた安心感に満たされていた








.






『お気を付けて』







そう言って門で見送ってくれた付き人に頭を下げて、駅へ急いだ







話してたせいで少し遅くなってしまったかもしれない







胸にまだ突っかかっている





"説明するために"なんて言ったけど、一番初めに伝えたい人だっている







なんとなく、彼に一番に言いたい







だからまだ時間はかかりそう








.






駅に急ぐと、見覚えのある姿が見えた







やっぱり遅くなってしまったからか、牛島さんが待っていてくれたようだ







…って来ない可能性もあるのに…







………昨日だって…





もしかして………








私が近付くと牛島さんがこちらに気付いた

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