捨て犬と先輩 3【HQ】

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『影山くんといい……』






…………ん？




私がハテナを浮かべたように、及川も顔をしかめてこっちを見ていた







｢いや、影山くん知り合いでもなんでもないから｣






貴方も見てたじゃん




……どこでどう知り合いと捉えたの…？







『トイレ行ってる間に話してたんじゃないですか？』






……やっぱり彼は頭が抜けているのか？







及｢飛雄ちゃんとも知り合いなの？｣






いや、だから。





二人して不思議そうな顔をしてこっちを見ないでくれ。







｢ぶつかって謝りに来ただけだって｣






…というかそもそも名前すら知らないわ…






付き人から数回聞いたくらいだし…







及｢決勝は見に来るの？｣




『行きます！！ね！！？


青葉城西 対 白鳥沢！！』






真っ先に答えたのは付き人





その姿に驚きつつ笑顔が若干引きつってる及川






…やっぱり牛島さん達勝ったんだ








｢…日によるかな｣






日曜日も結局全然見れてないからな…





牛島さんなんて試合前に会ったくらいだし…








すると目を輝かせていた付き人が何かを察したように、気まずそうに微笑んだ







及｢…どっちを応援するの｣







その声に及川の方を見ると、及川はおこげと遊んでいるようだった







『私は今日及川くんの事さらに好きになったので』







どっちを応援するなんて…





選べないよ






及｢はいはい｣






だから見に行ってもどっちも応援するし、どっちも応援しない





ただ見に行くだけでしかない








｢どっちが勝つんだろうね｣







まず白鳥沢のプレーだって見てないし


バレーの知識もないから分からない。







及｢…そ｣





つまらなそうに答えておこげを高く持ち上げた






行けるよね





いや、行く






行かせて欲しい。





.







『そろそろ帰りますか』






付き人のその一言に少しだけ胸が跳ねる





まだここにいたかった気もする







私は返事をして立ち上がった







そして何故か3人で私の家の方向へ歩いている








『及川くんも来るんですか？』




及｢ダメなの！？｣







…っ





これが毎日だったもんな





別にもう来なくていいのに…








『…A様、もしかして毎日…あの場所へ…』






すると付き人が少し気まずそうにそう聞いてきた

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