194 ページ45
研磨くんとの電話を切って、何か少しスッキリした気もする
誰かと居る
誰かに話す、という事はこれほどまでに力があるんだと感じる
…もう、寝よう
変なことを考えてしまわないように…
今は研磨くんが言うように、何も考えず彼に甘えよう
全てが終わったら、迷惑かけた分恩返しを考えよう
今は一つの事に集中…
私はお風呂に入って、全てを終わらせて布団に入った
………
…………
たくさん泣いたからかすぐに眠りにはつけた
…
『お姉ちゃんっ』
頭の中で翔が呼ぶ声が聞こえる
…あ、今までの事は夢だったのかも
だって今目の前に翔がいるもの。
手を伸ばせば届きそうなくらいな距離
でも届かなくて、私は何故か…池？水があるところに落ちる
翔…？どうして手を掴んでくれないの…？
必死に足掻いても翔はこちらを見ていつものような笑顔を浮かべているだけ
水が口に…っ
足が引っ張られるようにどんどん沈んでいく
…あぁ、溺れるってこういう感覚なのかな
…これが死……
私はこんな時まで冷静に落ち着いてそんなことを考えていた
｢…っ…！！！｣
苦しくて、私は呼吸を整えた
………？
さっきまで水の中で…呼吸ができなかったのに……
暗い部屋の中だんだんと見えてくる見慣れた天井
私は苦しくなった胸を押さえながら体を起こして、時計を確認した
……10分くらいしか経ってない
たった10分。
その間に不吉な、翔と離れるような夢を見た
…………夢…
…やっぱり…現実は現実。
少しでもチャンスがあるならと、私はすぐに現実から逃げようとしている
｢…翔…｣
いつも隣で寝ているはずの翔の姿はない
これが現実。
"…旅行とか"
…うん、
そうだった…そう考えるんだった
それに明日になれば翔に会えるもの。
あと数時間。
待つだけ…
.
あれから、目を瞑るも眠れなかった
またあんな夢を見てしまうんじゃないか
私が寝ている間に翔が起きて悲しんでるんじゃないか
私が寝ている間にどこかへ行ってしまうんじゃないか、と。
そんな不安に襲われて眠ることは出来なかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 127人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
PUPU(プロフ) - は る くさん» 更新遅くて申し訳ないです(´；ω；｀)そして嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2020年5月26日 21時) (
レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
は る く(プロフ) - ノンストップで読んじゃいました。。。続き楽しみにしてます！！！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 20d1569ebb (このIDを非表示/違反報告)
PUPU(プロフ) - redstarm53さん» 少しでもそう感じてもらえてるなら良かったです！ありがとうございますm(_ _)m (2020年5月21日 10時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
redstarm53(プロフ) - むちゃくちゃドキドキして、すごく焦ったくて、めっちゃ青春って感じです！！！続きをいつも楽しみにしています。更新ありがとうございます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: cfdf260033 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：PUPU | 作成日時：2020年5月5日 11時
