ちょっと変わった出会いから 4 【HQ】

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翔は生きている








"お父さんとお母さんはね…っ_________"









あの時とは違う







その安心の方が強い気がした









｢…翔が……まだ生きてる…っ…！｣








私は自分の顔を両手で覆って涙を拭いながらも息を吐いた









少しだけ見えた彼の顔は驚いているようだった








…おじさん、と呼ぶにはまだ早いような






お兄さん…なのか、わからない。









今翔がどんな姿なのかも分からない







だけど、まだ私は一人じゃない








しばらくするとお医者さんが部屋から出てきて、キョロキョロと誰かを探しているようだった









『…翔ちゃんは…』








真っ先に先生の元へ行ったのはおばさんだった







先生は保護者的な人を探していたのか、おばさんを見ると何かを話し始めた








先生の顔は決して明るい訳でもない








また話を聞くのが怖くなって目を逸らすと、手に温かみを感じた








顔を上げると研磨くんが優しく微笑んでくれていた









孤｢…聞きたくないなら時間が経ってからでもいい





俺が聞いて来るよ｣









…研磨くんに助けられてばっかだ








歳上なのに。








それに……今一番気になっている事。









私は首を横に振って、立ち上がった研磨くんと同じように私も椅子から立ち上がった









一歩一歩近付くと、保健室の先生も私の背中を優しく押してくれた








……みんなが支えてくれてる








…








.








私は研磨くんと先生に挟まれながらも聞けることは聞いた









みんなの表情がパッと明るくならない理由がようやく分かった







でもどうして…？









"一命は取り留めたものの、意識はまだ戻らない"






"頭の打ちどころが悪かった為、いつ目が覚めるかもわからない"






"時期が来たら______________"









翔はまだ生きている








私にとってはとっても嬉しくて安心できる事だった








だからみんなが暗い顔をするのが不思議だった








私がおかしいの…か。








翔は起きるに決まってる









孤｢…家族なんだからそう思うのが当然｣









帰りの車で、研磨くんはそう言ってくれた








研磨くんは暗い顔をせず、優しく微笑んでいるようにも見えた









いつの間にか外も暗い








帰ってもよかったのに、ずっとそばにいてくれた研磨くんの影響がかなり大きい気がした

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