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翔「お風呂!一緒に入る!行こう!こっち〜!」







翔は私を無視するように、黒尾くんの手を握って引っ張っていった







黒「…!分かったから!急に引っ張んなって…」







いきなりの事に黒尾くんはもたつきながら、ドタドタと音を立ててバランスを立て直した








………





…どうしたら…







急に部屋が静かになり、自分の心臓の動きが良くわかる








……初めてだから、嬉しいんだろうな







友達とお泊まりもした事ないし、こんなに夜遅くまで一緒にいられる事は私以外で初めて







翔のキラキラした笑顔に思わず胸が締め付けられる






学校の子達とそういう感じのこと話すのかな。




お泊まりした


とか



一緒にお出かけした




とか。







………ってこんな事考えてる場合じゃない







黒尾くんが…







急いで追いかけようとすると、急に影から黒尾くんの姿が出て来て心臓が止まりかける








黒「あ、ごめん」






私が胸を押さえて止まったからか、黒尾くんは笑いながらそう言った







…ってあれ、翔は?






ベッタリくっついていた翔の姿が見当たらない。








黒「…翔は風呂場。




翔の服とかの準備するから先にって」







……いや、絶対それだけじゃ言う事聞かない気がする






黒尾くんは私が考えていた事が分かったのか、小さくため息をついた








黒「20秒で帰ってくるから、大きい声で数えててって



…そう言ったら離れた」







……なるほど





…黒尾くん凄いな。







そしてお互い気まずい空気が流れる








「…ごめんね。翔、こういうの初めてで舞い上がってるみたい




帰るなら今のうちかな」








翔には悪いけど…






私は笑顔を作りつつ、そう言うと黒尾くんはなんとも言えない顔をしていた








その表情から私は何も読み取ることは出来ない








……余分な事、言っちゃった?







黒「けど今帰ったら、後々星野さんが大変でしょ





いいよ、俺」








黒尾くんの言葉に思わず顔を上げた






黒尾くんは背が高いし、いつもより近い距離にいるからかさらに見上げている感がある








"いいよ、俺"



とは。






混乱しているのか、この考えはダメだと止めているからか言葉が上手く理解できない






「…お風呂入ってそこから帰るって風邪引いちゃ…」







私がそう言いかけると頭に重みを感じ、黒尾くんは笑顔を向けて行ってしまった

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PUPU(プロフ) - あははははさん» 強引なワガママを無理やりねじ込みました…申し訳ないです… (2021年1月6日 21時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - ワガママしすぎwおかしいw (2021年1月6日 20時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
PUPU(プロフ) - 瑞稀さん» そんな…!(´;ω;`)ありがとうございます!いろんな意見を取り入れて、別ルートも作るつもりです(^^) (2020年2月13日 12時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - すごく面白いです。感情移入して泣いてしまいました…笑 個人的には研磨落ちも見たいですがクロ寄りですかね…??どんな結果でも楽しみにしてます! (2020年2月13日 3時) (レス) id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:PUPU | 作成日時:2020年1月14日 21時

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