〜蝙蝠に恋した龍〜賢者の石 Ⅰ (ページ49)

今日:23 hit、昨日:12 hit、合計:21,345 hit

48 〃 ② ページ49

＿＿ネビルSide

僕があの恐ろしいプリンス教授の研究室へ訪れることが出来たのはフレッドとジョージの話を聞いたからだ

ノックをして名前を名乗ると、中から「入りたまえ」と返事がした

うぅ、怖いよぉ

セブ「来たか、こちらへ来たまえ」

プリンス教授は僕を隣の教室へ誘った

そこには一人分の調合スペースが準備されていた

セブ「今日の調合をもう一度してみたまえ

途中まで見ていたが、下ごしらえは良く出来ていた

ゆっくり慎重にこなせば確実に出来る筈だ」

ネビ「え？あ、はい・・・」

罰則じゃなくて補習をしてくれるのかな？

セブ「見本を見せてやろう

一度で覚えたまえ」

プリンス教授はそう言うと材料を均等に切り分けた

その作業は流れるように素早く、天秤を使い正確な分量を一度で計り同時にいくつもの作業をこなしていた

ネビ「す、すごい…」

無駄が無く繊細な指の動きに僕は見惚れてしまった

セブ「魔法薬は地味だが、魔力の大小で成績が決まるわけではない

努力したぶんだけ結果が出てくる

さぁ、やってみなさい」

僕は黙々と作業を始めた

プリンス教授は別の作業をしつつも、僕の方を見ていて途中でアドバイスもくれたおかげでおできを治す薬を完成させることが出来た

ネビ「あ、あの…」

出来た薬を小瓶に入れてプリンス教授に見せると教授は小さく頷いた

セブ「上出来だ、良く頑張ったな」

ネビ「や、やったあ！！」

セブ「これにて補習は終了だ

次回からは励みたまえ

寮まで送ろう、ついて来なさい」

送ってもらうとき足が長くて早足だったけど僕が小走りしていることに気づいたのか歩調を合わせてくれた

寮の前について僕はお礼を言った

ネビ「プリンス先生、今日はありがとうございました」

セブ「構わん…では失礼する」

ネビ「はい、おやすみなさい」

セブ「あぁ、おやすみ」

就寝の挨拶をすると、プリンス教授は小さく返してくれた

その大きな背中はあっという間に消えてしまった

なんだろう・・・胸がホクホクするような気持ちだ

お父さんってあんな感じなのかな？