〜蝙蝠に恋した龍〜賢者の石 Ⅰ (ページ45)

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44 魔法薬ページ45

魔法薬の授業はありがたくないことにスリザリンとの合同授業だった

グリフィンドール生達は重い空気と表情のまま、地下に行くのである

スリザリン生は意気揚々と、グリフィンドール生はなるべく後ろの席に座るが、久しぶりにドラコを見かけたハリーは声を掛けた

ハリ「やあドラコ」

ドラ「ああ、君か。ロンも久しぶりだな」

スリザリンに組分けされたドラコとハリー達は気軽におしゃべりをしていたがスリザリン生とグリフィンドール生達はその様子に驚いていた

ドラ「そういえばロン、君のお兄さんたちが我らが寮監に悪戯をしたそうだな」

ドラコに言われ、ロンはブルブルと震えていた

ロン「全くだよ。そのおかげで目をつけられたらどうしよう……」

そう言うと、後ろのドアが開きセブルスが教室に入ってきた

一番前の教卓まで進み、こちらを振り返る

セブ「出席をとる」

セブルスは出席簿を見ながら低い声で出席を取り始めた

セブ「ハリー・ポッター」

ハリ「はい」

返事をすると、セブルスは一瞬だけハリーを見たが、すぐに視線は逸らされた

出席を取り終わると、セブルスは教卓に寄り掛かりながら、魔法薬学という学問についての説明を始める

セブ「このクラスでは呪文を唱えたり、杖を振ったりすることはない

諸君はこれでも魔法か、と思うだろう

しかし魔法薬学の玄妙なる知識を持ってすれば、栄光を醸造し、死に蓋をする事さえ可能になるだろう。

…だが」

そこで言葉を切り、机の下で何かを書いていたラベンダーを睨み付けた

セブ「Mｓ.ブラウン

私の話を聞かず、別の作業をしているとはよほど自信がお有りのようですな

魔法薬学は薬材を入れるタイミングを数秒の間違えやたった一回、掻き混ぜるのが多かっただけでも予想外の結果を招くことになる学問である

私の説明を聞く気がない者は、即刻このクラスから立ち去りたまえ

止めはしない」

セブルスが冷たく言い放つと、ラベンダーは泣きそうな表情をして俯いてしまう

ラベ「すみませんでした…」

セブ「……それでは、授業を開始する」