〜蝙蝠に恋した龍〜賢者の石 Ⅰ (ページ5)

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4 感情を無くしたページ5

蓮「まぁ、ジョークはこのくらいにして。A、やっとあの事件の資料を上層部から譲ってもらったよ」

『本当かっ！？』

蓮「あぁ、少し時間がかかって申し訳ない。
少々トラブルがあってね」

葵「でも上層部が資料を譲るなんて・・・何をしたんですか？」

蓮「なぁに、セブルスとほんの少し説得させただけだよ」

セブ「お前の場合あれは脅しだったがな・・・」

普段、軽口を叩いている蓮ではあるが何かと頼りになる

葵「ん？でも上層部はAの実力も知っていますよね？だったら何で渡さなかったんですか？」

セブ「西園寺家の人間が邪魔していたんだ」

蓮「あの連中、Aの事を酷く嫌っているからね」

『知るか、、あんな連中に好かれるなど吐き気がする』

葵「まぁ向こうの連中お前の事疑ってるもんなぁ」

『"疑ってる"、、、か…』

Aはそう呟きながら顎をさすった

顎をさするのはAが考え事をしている時の癖だった

セブ「A、あまり思いつめるな」

『わかってる、だけど「お話しの途中失礼します」ん？』

と、一人の女性局員に声をかけられた

「レオンハートさん、貴方にお会いしたいという方がいらっしゃいます」

『私に？・・・わかった

すまない、少し席を外す』

Aは3人にそう告げパーティー会場から姿を消した

　

彼女の背を見送り葵は口を開いた

葵「あいつ、、変わってしまいましたね」

蓮「あぁ、親友の死からかなり変わってしまったね」

セブ「彼女にとって数少ない友人だったからな」

Aはシオの死からかなり変わった

半年前までは感情が豊かであったが、今では感情を表に出すことはなく感情を完全にコントロールしていた

時が経つにつれて笑う事も泣く事も忘れていた

それは彼女が"氷の女王"と呼ばれるもう１つの理由だった