君は君らしく【銀魂】【沖田総悟】

五訓 ページ8

.


Aの言ったことに銀時は驚いた
どうして彼女がそんなことを言ったのか理解できない


A「この状況を踏まえよくお考えになってください」


銀時「…………」


返答次第では斬るつもりでいるのか………


A「……出来ればこの刀で人は斬りたくないんです。ですからどうか了承して下さいませんか？」


銀時「何でそこまでしてお前は死にたいんだ？」


A「銀時様は容姿の違いで苦しい思いをさせられたことありますか？」


銀時「………」


A「私の髪と瞳は父上様ともそよとも違う

たとえ血の繋がりがなくとも容姿が少しでもあのお二方に似ていればッ………

この容姿のせいで苦しめられることなんてなかったッ！！！」


銀時「…………」


銀時はAが産まれた日のことを思い出す
あの二人はAが産まれてきたとき心の底から幸せそうな顔をしていた
それを知っている銀時だからこそ………


A「顔も名前も知らないッ！

どこのどなたかわからない御人たちの間に産まれたくなかったッ！！

捨てるつもりで産むくらいなら最初から産まなけ……ッ！！？」


銀時「ざっけんじゃねェよ」


銀時は振り向き、後ろにいるA目掛けて殴ろうとした
がAは後ろに下がり、その拳を避ける


銀時「お前の親は捨てるつもりでお前を産んだ訳じゃねェよ」


A「……貴方様は私の両親をご存知なのですか？」


銀時「………あぁ、そうだ。俺はお前の両親を知ってる

お前が産まれる時も俺は一緒にいた

だからこそ、言うぞ

死にたいなんて二度と言うんじゃねェ」


A「………私は両親のことは何も覚えていないんです」


銀時「！」


A「ただ、この刀と鈴は母の物だと父上様から教えて頂きました

だから、なのですかね？この刀で人を傷つけたくないのは……

父上様は私の事を想って東雲家のことは何も教えてくれません

でも、家臣達は口を揃えて言うのですよ

"裏切り者の娘"……と」


銀時「ッ！！？」


銀時はその言葉を聞いた瞬間、顔を歪めた
だか、残酷ながら言われても仕方のないことなのだ


いくら恩師を救うためでも幕府側からしたら由紀はそういう立場になってしまうのだから


A「私はその言葉の意味がよくわからなかった

だから、調べたんです。10年前の攘夷戦争のことを

そしたらある一人の人物にたどり着きました

それが………


＿＿＿＿桜の舞姫、吉田由紀」

六訓→←四訓

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す