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再会してしまった。 ページ38

『…よし。』


ブランコから立ち上がり、伸びをしてまた走り出す。

逃げるのなら遠くまで逃げよう。

雨足は若干弱まってる。ぬかるみの生じた土を軽く払って風を一身に受けるのは心地良い。

とにかく遠くへ。

疲れた身体も切れる息も知らぬ振り。

万が一、捕まってしまえば…?
そんな事。考えるまでもない。

きっと、オレは文字通り壊れてしまう。

愛情で窒息する、なんてよく言うが…。
そんなのごめんだ。

午前零時をとうに過ぎているのに、未だ賑やかさを保つ駅前。

時計塔を前にイチャつくカップルを尻目に時刻を確認する。

午前0:53。

ベンチで少し息を整えて、また走り出そうとしたその時。


「Aちゃん?」


ああ、くそ。噂をすればなんとやら。


「桜子…?」

「そうだよ!畠山桜子!うわー……すっごい久しぶりだね!元気だった?」

「まあ、な。わり、今…」

「えーちょっと!そこにケーキが美味しいカフェあるからさ、一緒行こ?奢るよ!」

「は、ちょ…」


な ん で だ よ!!

振り払おうにも此奴はオレよりずっとか弱い。つまり、下手に振り払えば障害沙汰になるのは目に見えている。


「すまん、追われてるんだ。金も無いから今度…」

「え?そうなの!?じゃあちょっとだけ私の家で匿うよ。…その、謝りたい事もあるし。」


…あー、もう。そんなしょんぼりされると断れん。

結局俺は引きずられる形で桜子の家に案内された。

The、女の子の部屋…って感じで、落ち着かない。


「ホットココア…なんだけど。」

「…あ、さんきゅ。」


ココアを1口。さっきまで走っていたから水か茶でも…と思ったが中々美味しい。


「あのね…中学の時の、あれなんだけど…ごめん!」

「……何が。」

「あの男子グループに…脅されてて。」

「ふーん…。」


そういえば…あの男子グループは面倒だったな最悪の場合強か…やめよ。

とはいえ、すぐには信じられない。何せ、先程信じていた奴等が急に刃をむけて来たのだから。


「すぐには信じてもらえないの分かってる。…だけど、その……」

「もう良い。過ぎた事だ、気にすんな。改めて仲良くしてきゃ良いだけだろ。」


ココアを持っていた右手を差し出す。

きょとん、とした後、桜子は顔を綻ばせてオレの手を取った。


「ごめん、ごめんねAちゃん…。あり、がと…!」

「謝んな。オレこそ信じきれなかったんだ。」


多分、嘘じゃない。

また信じてしまった。失うだけなのに。

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かれん - あーあ。シルク達が乗り込んで来たらどうすんのやろ、、、、 (2018年11月5日 0時) (レス) id: dba75e7956 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - ウオタミでもありますし、読みやすいんで! (2018年11月3日 8時) (レス) id: dba75e7956 (このIDを非表示/違反報告)
伊達。(プロフ) - かれんさん» ご閲覧頂きありがとうございます。私なんてまだまだですが、ファンだと言ってくれるのは嬉しいものです。ありがとうございます! (2018年10月31日 0時) (レス) id: d04d043254 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - いつも見てますよ!!(他の作品も)←コメントしてます!   がんばってください!!←ファン (2018年10月28日 22時) (レス) id: 9f2d1964ce (このIDを非表示/違反報告)
伊達。(プロフ) - かれんさん» ご閲覧頂きありがとうございます。頼れるリーダーが可愛いの、良いなと思って書いてました笑 (2018年10月28日 15時) (レス) id: d04d043254 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊達。 | 作成日時:2018年10月1日 0時

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