■Lunatic case：Green ページ13
side．pk
休み時間、誰一人居ない音楽室。
俺は1人で窓際に居る。
目的はただ一つ、真下に居るであろう彼女への想いを歌う為。
きっと彼女は俺と自分があの日初めてだと思ってるんだろう。
けれど、もっと前から知っていた。
入学式の日の事。
早々に上級生から目を付けられていた俺を助けてくれた。
あれからずっと仲良くなりたいと思っていた。
でも、彼女は姿を見せてくれなくて。
3年の今、ようやく保健室登校と言う事を知った。
今日みたいな良い天気の日は、きっと窓を開けてくれてるだろうから。
俺の想いが彼女に届かなくてもいい。
ただの、自己満足。
……の、筈だった。
歌い終わった時に後ろから聞こえた拍手。
ビックリしてそっちを見ると、俺が想っていた彼女…佐野Aが立っていた。
『え…佐野、Aさん…？』
俺が名前を呼ぶと、僅かに眉を上げた。
やっぱり、印象に残ってはないか。
まあ、それならこれから仲良くなっていけばいい。
自己紹介をして、雑談。
話を聞いてみると、家族思いな事、歌うのは得意じゃない事、課題が終わってないのにわざわざ聞きに来てくれた事が分かった。
人に見つかる恐れを犯してまで来てくれたのが嬉しくて仕方なくて、さっきまで覚えていた淡い恋情は消えていた。
その代わり、あいつらには渡したくないという欲望。
A「…課題がまだ終わっていない。また今度。」
『うん。じゃあね！』
普通に別れられただろうか。
Aが去ってから、俺は上がる口角を隠す事は出来なかった。
なんて愛しいのだろう。
愛しい。欲しい。彼女が。Aが。
Aに触れたい。
Aともっと話したい。
自分でもこんなに黒い感情を持つのか。そんな驚きより、愛情が上回る。
『あー…本当に、すごいよ…！』
何が、なんて自分でも分かってはない。
あのポーカーフェイスを崩したい。
あのハスキーな声を甲高く鳴かせたい。
誰にも渡さない。あげない。
でも、それを表に出せばAはすぐに離れて行くだろう。
強い動物、生き長らえる動物は逃げ足が早い。
Aもそうだ。
少しづつ、少しづつ、慣らしていかないと。
幸い、我慢は苦じゃない。
『待っててね、A…。』
そう呟いて、もう１度歌い出した。
Aに捧げる、狂おしい程の愛の曲を。
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かれん - あーあ。シルク達が乗り込んで来たらどうすんのやろ、、、、 (2018年11月5日 0時) (
レス) id: dba75e7956 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - ウオタミでもありますし、読みやすいんで！ (2018年11月3日 8時) (レス) id: dba75e7956 (このIDを非表示/違反報告)
伊達。(プロフ) - かれんさん» ご閲覧頂きありがとうございます。私なんてまだまだですが、ファンだと言ってくれるのは嬉しいものです。ありがとうございます！ (2018年10月31日 0時) (レス) id: d04d043254 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - いつも見てますよ！！(他の作品も)←コメントしてます！ がんばってください！！←ファン (2018年10月28日 22時) (レス) id: 9f2d1964ce (このIDを非表示/違反報告)
伊達。(プロフ) - かれんさん» ご閲覧頂きありがとうございます。頼れるリーダーが可愛いの、良いなと思って書いてました笑 (2018年10月28日 15時) (レス) id: d04d043254 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊達。 | 作成日時：2018年10月1日 0時
