それはきっと幸せな未来 ページ40
『懐かしいなあ…。』
部屋を片付けている最中に見付けた、高校のアルバム。
その1ページ1ページ毎に、若かりし事の思い出が鮮明に思い出される。
その中でも最も鮮明だったのは、高2の一時期の事。
皆が所謂ヤンデレというのになって、怖かったけど、何とか仲直りしたあの日から、優に5年の月日が経過していた。
あれから皆は怖くなくなったし、純粋に私を好いてくれてるのが分かった。
だから、私も皆に対して愛情表現は欠かした事は無いし、これからも欠かさないだろう。
アルバムを閉じて時計を見やると、家を出なくてはいけない時刻となっていた。
家を出れば、ぺけが何時も通りに待ってくれていた。
一緒に向かうのは、現地集合と言われた新規のアスレチック。
私達Fischer'sは、今やかなり有名なYouTuberとなった。
勿論私も動画には出させてもらってる。
医学療法士という職業上、中々動画に出演する事は出来ないけど、充実した毎日だ。
元陸上部という実績を遺憾無く発揮して行うアスレチックは、たまの息抜きとなっている。
『ん?モトキどうしたの?怖い顔してるよ。』
モトキ「あー、なんかAの事見てる人いっぱいいるなーって。」
『まあ私達有名になっちゃったしね。』
ダーマ「Aー、落ちんなよ!」
『落ちないってば!』
相変わらず過保護だなあ、ダーマは。
…?
あれ、過保護?
…気の所為、か。
シルク「んじゃあ動画締めるか!せーの、」
『アデュー!』
動画を締めた後も、アスレチックで暫く遊んだ。
遊んだ後は来た時とは違って皆が送ってくれた。
家に戻ると、片付けの途中であった部屋が待っていた。
こりゃ片付けの後じゃないとご飯無理かな、と思った矢先。ぺけからメールが来た。
《ちゃんとご飯食べなよ》
…?
ご飯はいつもちゃんと食べるし、こんなの送ってこないのに。変なの。
片付けを続けていると、妙な光を見付けた。
それに手を伸ばしても、届かない。
その光が挟まってる机と壁の隙間を広げて取り出すと、それはカメラだった。
『何で、カメラ……?』
私はカメラを持っていない。
それなのに、どうして…こんな所にカメラがあるの?
《まだご飯食べてないんだ?》
『え…』
思わず落としたカメラはガチャンと音を立てて壊れた。
カメラを落とした手の平は、昔に比べて生命線が短くなっているようで。
1度狂った歯車は、直らない。
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レイ(プロフ) - こーゆーのまじで好きです…。やばい。みんなのヤンデレほんとに好き…最高でした…!!!もしも続きがあれば楽しみにしてます!別作も頑張ってください!応援してます! (2020年4月11日 18時) (レス) id: 9045735352 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - どんどん怖くなってゆく、、、、、まぁ好きな人に殺されるなら本望かな? (2018年10月27日 17時) (レス) id: 9f2d1964ce (このIDを非表示/違反報告)
Kako(プロフ) - 狂気の歯車は止まらないってわけですね…。 (2018年10月25日 18時) (レス) id: d79f67c83a (このIDを非表示/違反報告)
伊達。(プロフ) - りょうさん» 最後までご閲覧頂きありがとうございました!ラストとの落差すごいなって自分でも思ってたんですけど、楽しんで頂き何よりです! (2018年10月13日 17時) (レス) id: fe0d9e5760 (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 完結おめでとうございますー!もう、ヤンデレ具合が最高でした!ラストはちょっとドキドキして...とにかく面白かったです!これからも頑張ってください! (2018年10月13日 11時) (レス) id: 60a3c2e8e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊達。 | 作成日時:2018年9月16日 14時