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決意 ページ37

あれからどれだけ走ったか、気付いたら私は校舎裏の丘に来ていた。

そう、流星群を見た、あの丘。

ベンチに座って息を整える。

不意に、鼻の奥がツンとして、目頭が熱くなって…。

私は、そのまま泣いてしまった。

変わらないと思っていた。

ずっと笑いあっていられると思っていた。

それなのに。裏切られた。

いや、彼等にとっては私が裏切った事になる。

これ程自分の好奇心を責めた事はない。

私が、余計に知ろうとしなければ何も知らずに笑い合えたのか。


『っ、う…あぁあ…!』


目の前の草花が私の涙で濡れていく。

その様を気にも留めず泣いていると、横からハンカチが差し出された。

恐怖を抱きつつそちらを見ると、そこには目を赤くした姫ちゃんが居た。


『姫ちゃん…?』

「Aちゃん、ごめん、ごめんね…!」

『なんで姫ちゃんが謝るのぉー!私こそ、くっつけてあげられなくてごめんねぇ!』


姫ちゃんは泣いてた。

それなのに、私なんかにハンカチを差し出してくれる優しさが、弱った心に染みた。

一通り2人で謝り合い、落ち着いた頃には2人共酷い顔になっていた。


「ごめんね、Aちゃん。Aちゃんが応援してくれてたのに、駄目だったよ…。」

『そんな、謝らないでよ。こっちこそ…』


まだ謝り合うんだ、っていう姫ちゃんのツッコミ。

それももっともで、私はくすくすと笑ってしまった。


「ねえ、Aちゃん。突然だけどさ、マサイ君達って…ちょっと、怖いね。」

『え…姫ちゃんも?』


文化祭で後輩に言われた言葉。

それが姫ちゃんの口からも聞けるという事は、相当だ。


『やっぱり…そう思っちゃう?』

「うん。あのね、私、Aちゃんの事大切な友達だと思ってるんだ。だから…」

『ありがと、姫ちゃん。多分…大丈夫だよ。』


そう言って笑った私の顔は、とても頼りなかったと思う。

心配そうな姫ちゃんの背後、忍び寄る影。


『姫ちゃんしゃがんで!』


そんな私の叫びも虚しく、姫ちゃんは背後の人物に襲われ、気絶してしまった。

姫ちゃんに駆け寄ろうにも、そこに居る人物に抱く恐怖が身体を硬直させる。


シルク「俺達を見るなり逃げるなんて…酷くね?」

『シルク…!皆…!』


いつの間にか包囲されていて、逃げ場など見付からない。

それ以前に、姫ちゃんを置いて逃げるなんて出来ない。

考えろ、考えろ。

無い頭を振り絞って出した最善策は、今の私にとってのバッドエンド。

躊躇いは無かった。

解決策と本当の思い→←戦略的撤退。



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レイ(プロフ) - こーゆーのまじで好きです…。やばい。みんなのヤンデレほんとに好き…最高でした…!!!もしも続きがあれば楽しみにしてます!別作も頑張ってください!応援してます! (2020年4月11日 18時) (レス) id: 9045735352 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - どんどん怖くなってゆく、、、、、まぁ好きな人に殺されるなら本望かな? (2018年10月27日 17時) (レス) id: 9f2d1964ce (このIDを非表示/違反報告)
Kako(プロフ) - 狂気の歯車は止まらないってわけですね…。 (2018年10月25日 18時) (レス) id: d79f67c83a (このIDを非表示/違反報告)
伊達。(プロフ) - りょうさん» 最後までご閲覧頂きありがとうございました!ラストとの落差すごいなって自分でも思ってたんですけど、楽しんで頂き何よりです! (2018年10月13日 17時) (レス) id: fe0d9e5760 (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 完結おめでとうございますー!もう、ヤンデレ具合が最高でした!ラストはちょっとドキドキして...とにかく面白かったです!これからも頑張ってください! (2018年10月13日 11時) (レス) id: 60a3c2e8e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊達。 | 作成日時:2018年9月16日 14時

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