気付いたら生命線超短くなってんだけど。何で？

体育祭 ページ27

ごめんなさい、最初に愚痴を言います。


『なんで遠征の翌日が体育祭なの？おかしくない？』


こんなの絶対おかしいよ。

現在、筋肉痛の身体を引きずってなんとかグラウンドにいます。

くそう監督め…。態度緩いのに練習は鬼なんだよなあ。

それからモトキも鬼。筋肉痛だって言ってんのにわざわざ手引っ張る事ないじゃん…。

え、ザカオ？ザカオはいつも通り良い奴だよ。


体育祭はクラス対抗。

1学年につきクラスは3つ。

紅組、白組、青組に別れて戦います。
私達3組は青組です。


モトキ「ほら、A、徒競走呼ばれたよ。」

『うああ〜…行きたくないよおぉ…！』

ザカオ「頑張れA！めっちゃ応援してるから！」

『分かった頑張る。』


ザカオには甘いって？知ってる。

仕方なくスタートラインに立って、足首を解す。

走るのは好きじゃない。それに、同じラインに短距離走の子が並んでるから、勝ち目は薄い。

慣れないピストルの音が鳴って、スタートを短距離走の子に奪われた。

でも、悪いけどさ。

私も大分負けず嫌いなんだよ。

フルパワーで地面を蹴り、腕を振って、ゴールテープはほぼ同時に切れた。

ビデオ判定の結果は1位。


『ザカオー！1位取れた！』

ザカオ「おめでとう！すっげー走りだったよ！」

『ザカオの応援のお陰だよ！ありがと！』

ザカオ「いーえー。」


青組陣地でザカオとハイタッチを交わして、喜びを分かち合う。

次は男子の徒競走なんだけど…。

シルク、やべぇ…。

あの人男子陸上部の短距離走エースなのにぶっちぎりとかありえない。


次は男女混合の借り物競争。

えーと、ここで皆さんに問いたい。

漫画でさ、好きな人を借り物にするの、よく見ません？

それ、うちの学校もです。

実行委員が愉快犯で［好きな人］とか［校長先生の髪の毛］とか。

後者、よく許可とれたね。

うん、現実逃避よくないね。

あ、出番だ。


ピストルの音から、ゆっくりめにお題箱に向かう。

お題箱の中から適当に紙を引いて、中身を開く。


《大好きな人(複数可)》


なんだ、簡単じゃん。

あ、でも聞かなきゃいけないよね。


『すみませーん、お題って他の組でも良いですか？』

「良いですよー。」


よっしゃ。

委員の返事を聞き届けて、私は1番近い青組に向かった。

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