寝落ち電話 ページ24
クラスの女子が《寝落ち電話》なるものについて話しているのを小耳に挟んだのは放課後の部活前の事。
テストが終わってようやく部活に打ち込めるその時に聞いたものだから、すっかり今この瞬間まで忘れていた。
そう、グループ通話に巻き込まれる今まで。
『ねぇ、私が結構早く寝るって知ってての行動かな?』
シルク[そうだな。]
ザカオ[まあまあ。寝るまで話せるっていうのが醍醐味なんだからさ。]
マサイ[俺、Aと電話してたい…。]
そうザカオに諭されて、マサイに甘えられては言い返せない。
私、ザカオと甘えん坊モードのマサイにはとことん甘いな…。
最初に落ちたら勝ち残った人にジュースを奢らなきゃいけなくなるから、頑張って起きてる事にした。これで明日のパフォーマンスが落ちたら許さない。
時刻は午後11:00。
いつもならとっくに夢の中にいる時間だ。
でも、皆と話してるとあまり眠気が襲ってこない。
ダーマ[でさぁ、センセーがうぜぇのなんのって。]
ぺけ[あー、数学の加藤先生?あれは嫌だよねー。]
『それより社会の田中だって。あれはウザイ。ウザさでしか構成されてない。』
話してる内に、ちょっとした異変に気付いた。
『ンダホー、寝てる?』
返事がない。ただの屍のようだ…
じゃなくて。
これ普通に寝たんだろうな。
『ンダホ寝たっぽいから私も寝るわ。おやすー。』
モトキ[そこ寝落ちじゃないんだ。]
『アホみたいな寝言聞かれたくないんだよ言わせないでよ!』
シルク[まあまあ、ンダホのいびき聞こえるからまだ良いだろ。]
『ん…じゃ寝る…。寝言笑わないでよ?おやすみ…。』
皆からおやすみと返事をもらって、私は眠りについた。
・
おやすみと言ってからどの位経ったのだろう。
ふと目が覚めて携帯を見ると、ディスプレイを覗くと、まだ通話は続いているらしい。
時刻は午前3:25。
寝てる人間を気にしてか、ヒソヒソとした話し声。
耳を澄まして聞いてみるけど、内容はあまり聞き取れない。
辛うじて聞き取れたのは─私の、話?
あー、もう駄目。
もう1度眠りに落ちるその間際。
[やっぱりAは本当に愛おしい。]
言葉の意味を考える暇もなく、私は睡魔に身を委ねた。
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レイ(プロフ) - こーゆーのまじで好きです…。やばい。みんなのヤンデレほんとに好き…最高でした…!!!もしも続きがあれば楽しみにしてます!別作も頑張ってください!応援してます! (2020年4月11日 18時) (レス) id: 9045735352 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - どんどん怖くなってゆく、、、、、まぁ好きな人に殺されるなら本望かな? (2018年10月27日 17時) (レス) id: 9f2d1964ce (このIDを非表示/違反報告)
Kako(プロフ) - 狂気の歯車は止まらないってわけですね…。 (2018年10月25日 18時) (レス) id: d79f67c83a (このIDを非表示/違反報告)
伊達。(プロフ) - りょうさん» 最後までご閲覧頂きありがとうございました!ラストとの落差すごいなって自分でも思ってたんですけど、楽しんで頂き何よりです! (2018年10月13日 17時) (レス) id: fe0d9e5760 (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 完結おめでとうございますー!もう、ヤンデレ具合が最高でした!ラストはちょっとドキドキして...とにかく面白かったです!これからも頑張ってください! (2018年10月13日 11時) (レス) id: 60a3c2e8e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊達。 | 作成日時:2018年9月16日 14時