嫁 ページ18
目が覚めて広間に向かうと、九尾化が解けたシルクさんがソファに座ってコーヒーを飲んでいた。
『あ、シルクさん。昨晩はあのまま寝ちゃっててすみません…』
シルク「んー？良いよ。よく寝れた？」
『はい、お陰様で…』
シルク「良かった。あんまり無理すんなよ、嫁さん♪」
嫁さん、嫁さん…嫁さん！？
あ、そっか。私嫁っていう立場で此処に居るんだった。
え、待って、私…嫁っぽい事してなくない！？
そうだ、私シルクさんに「嫁になって」って言われたんだ！それに頷いて此処に…
どうしよう慌て過ぎて同じ事しか浮かばない！！
シルク「A？どうした？」
『なななななんでございましょうか旦那様！？』
シルク「本当にどうした！？」
同じように慌て出すシルクさんを余所に、私は逃げ出した。
逃げ込んだ先は厨房。
厨房では、モトキさんが朝食を作っている最中だった。
モトキ「あれ、Aじゃん。」
『お嫁さんって何するんですか！？』
モトキ「うん、落ち着こうか。」
開口一番、中々突飛な発言をした私にもモトキさんは冷静だ。
火を止めて、冷蔵庫から牛乳を出して私についでくれた。
モトキ「落ち着いた？」
『はい…すみません、取り乱しました。』
モトキ「良かった。何があったか話せる？」
『実は…』
かくかくしかじか。
事情を話し終えた私に、モトキさんは苦笑いを浮かべていた。
モトキ「そっかー…そうだね、Aは特に何もしなくても良いと思う。」
『え、なんでですか？』
モトキ「俺達はAが居てくれるだけで幸せだもん。だから俺達と一緒に居てくれる事がAのお嫁さんとしての仕事。」
『一緒に…ですか。』
モトキ「うん。だから旦那様とか要らないよ？いつも通り親しくして欲しい。」
ぎゅっ、と握られた手。モトキさんは見た目に合わずごつい手をしてる。
モトキ「…所で、さ。」
『はい。』
モトキ「誰かに、何かされた？」
握られてる手に強く力が加わる。
ごめんなさい、可愛いなんて思ってないので許してください。
『特に、何も…』
モトキ「そっかー…。じゃ、ご飯準備手伝ってくれる？そろそろ皆来るからさ。」
一瞬黒い雰囲気を纏ったモトキさんは、すぐにいつもの明るい笑顔に戻り、行動を始めた。
…ご飯食べたらまた武闘場に篭ろうっと。
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かれん - 凄く楽しく読めました！ (2018年10月27日 18時) (
レス) id: 9f2d1964ce (このIDを非表示/違反報告)
伊達。(プロフ) - OSO さん» 最後までご閲覧頂きありがとうございました！他の作品の更新にも努めて参りますので、これからもどうかよろしくお願いします。 (2018年9月25日 16時) (レス) id: fe0d9e5760 (このIDを非表示/違反報告)
OSO - 完結おめでとうございます！人外化系は私も好きです！他の作品も頑張ってください！ (2018年9月25日 7時) (レス) id: 04bdd4e69b (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - 伊達。さん» ありがとうございますm(_ _)m (2018年9月19日 14時) (レス) id: 5925c39507 (このIDを非表示/違反報告)
伊達。(プロフ) - 透さん» ちん、と読みます。話中の全てにルビを振らせて頂きます。 (2018年9月18日 22時) (レス) id: fe0d9e5760 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊達。 | 作成日時：2018年8月23日 13時
