第26話 ページ29
「はぁあ！？ちょ、Aせんぱ、動画はずるいです！！動画は！！」
「寝顔ならまだしも寝起きは許さないわよ…！」
「…………あああぁぁぁ！！水着見っけた！勝った！！」
「こっちだって投げキッスの動画見つけたわよ…。」
「……もうやめましょうか。」
「そうね…。」
お互いスマホを投げ捨てる。
不毛な争いだったわ。
「A先輩から始めたんですからね〜…。」
「ほら、あれよ。使命感、使命感。」
「なにそれ………くくくっ…。」
2人で横になっても全く狭くないこのソファーはすごい。
仰向けになると、頭の方から椿が覗き込んでくる。
頬杖をついてへにゃっと笑った。
「グルッペンさん、カッコイイですね。」
「そうね。」
「優しいですし。」
「そうね。」
「…でもちょっと怖いです。
A先輩のこと、どっか遠くに連れて行っちゃいそう。」
それは、私もよ。
トントンさんは椿のことを隠してしまいそう。
細い綺麗な茶髪が降ってくる。
柔らかい、いい匂いがする。
「……あはは、やだなぁ。私すっごいわがまま。」
「…そんなこと……」
「………「早く帰ってきて」って送っちゃった。
忙しいのに、私のせいで、疲れてるのに。」
起き上がると、膝を抱えた椿が
大きな瞳からポロポロと涙を流していた。
まるで絵画のようだった。
彼女は美しいと、知っていたはずなのに見惚れた。
「どうしたら素直になれますか？好意ってどうやって伝えればいいんですか？」
すごく、難しい課題だ。
この子にとってはきっと人生で1番大きな問題。
素直になれない。
好きになればなるほど傷つける。
この子はそういう子だ。
「……少し、勇気を出しましょう？
目を瞑ってもいいわ。ドア越しでもいいの。電話でもいいのよ。メールでも、なんでも。」
「…A先輩は、見るからに大好きですよね。ずっと見てますし。」
「あら、貴女だってチラチラ見ているでしょう？知ってるわよ。」
「え、嘘……。」
目を瞬かせて、頬を染める。
かわいい。キュンとしたわ。
「くくっ、A先輩って本当にグルッペンさんのこと好きですよね。
よく顔に出てます。」
「そうね、私もびっくりしたわ。」
おでこを合わせてくすくすと笑い合う。
早く帰ってこないかしら。
会いたいわ。
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ルリ(プロフ) - すっっごく面白いです！！！応援してます！！更新頑張ってください！！ (2019年12月1日 0時) (
レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
ふう(プロフ) - うへぇ…お帰りです〜、椿ちゃんのほうも復活ですか? (2019年9月23日 18時) (レス) id: 98934c9ea5 (このIDを非表示/違反報告)
はったり - 推しが毒素だからいいのだけれどトントンとくっつくと思うとチクチク来るなぁ (2019年9月23日 16時) (レス) id: 41ac5a4538 (このIDを非表示/違反報告)
雨ヶ谷 Q(プロフ) - まむしさん» あ、良かったです、心置き無く読者に戻ります〜大好きです！ (2019年9月9日 1時) (レス) id: 979aff1ee1 (このIDを非表示/違反報告)
まむし - わかりました！！あ、ご迷惑をおかけしました…！ (2019年9月9日 1時) (レス) id: a1ee0471bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まむし x他1人 | 作成日時：2019年8月12日 21時
