第21話 ページ23
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「グル、グル、グル………。」
「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。」
動揺の仕方が気持ち悪い。
上から、鬱さん、コネシマさん、トントンさん。
百歩譲ってひたすら笑っているだけのトントンさんはいいとして、
鬱さんは凄い形相で叫びながら転げ回っているし、
コネシマさんはただただ顔が死んでいる。
そうだわ、椿に返してもらった本。
何を貸したか覚えてないのよね。
ブックカバーも返さないといけないし。
「すみません!間違えまし……ぎゃんっ!!」
顔を真っ青にして飛び込んできた椿。
そのままトントンさんにぶつかって転んだ。
「いっ…たぁい…。」
「ごめんな、椿。大丈夫?」
「触んな!童貞!!」
「椿……その言い方はよくないでしょう。謝りなさい。」
「……でも。」
「なに?理由があるなら聞くわ。」
さすがに言い過ぎだと思い、ストップをかける。
この子は叱ってくれる両親が傍にいない。
二人とも海外で働いている。
私が面倒をみないといけない。
何も言われないで生きてきてしまった椿を、
せめて1人で生きていけるまで。
周りの人が彼女の魅力を知ることができないで終わらないように。
唇を尖らせて、床を見つめて言う。
「……だって、私、これくらいしか……こいつに、言えないし……。
……………………どうしたら、嬉しいの伝わるか、わかんないもん…。」
「は?かわいいかよ。」
「うっ…かわ……っ。」
「無理…。」と言いながらトントンさんと握手をする。
かわいすぎて泣きそう。
私には絶対見せないツンを見れるだけでなく、
デレまで見せてもらえるなんて……。
「ありがとうございました。」
「いえ、こちらこそ。」
「ちょっ、なっ、なんっ、…………ばか。」
「………………トントンさん、連絡先、交換してもらっても?」
「もちろん。」
静かに涙を流した私と、ポスッと拳を置かれたトントンさん。
その時にさりげなく写真を撮ったトントンさん。
一瞬で悟った。
この人は私と一緒だ。
この子の魅力をよく理解している。
「……な、にしてんのよ…!!」
涙目でトントンさんの体を揺さぶる。
まぁ、当然かわいいよね。
「「かっっわ……!!」」
「……なんなの…!!」
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ルリ(プロフ) - すっっごく面白いです!!!応援してます!!更新頑張ってください!! (2019年12月1日 0時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
ふう(プロフ) - うへぇ…お帰りです〜、椿ちゃんのほうも復活ですか? (2019年9月23日 18時) (レス) id: 98934c9ea5 (このIDを非表示/違反報告)
はったり - 推しが毒素だからいいのだけれどトントンとくっつくと思うとチクチク来るなぁ (2019年9月23日 16時) (レス) id: 41ac5a4538 (このIDを非表示/違反報告)
雨ヶ谷 Q(プロフ) - まむしさん» あ、良かったです、心置き無く読者に戻ります〜大好きです! (2019年9月9日 1時) (レス) id: 979aff1ee1 (このIDを非表示/違反報告)
まむし - わかりました!!あ、ご迷惑をおかけしました…! (2019年9月9日 1時) (レス) id: a1ee0471bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まむし x他1人 | 作成日時:2019年8月12日 21時