【】夏、僕達は此処で。【】 (ページ8)

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次の日、彼は学校に来なかった。

先生は、体調が悪いからと言っていた。

授業中、空っぽの隣の席を見て、悔しかった。

本当は、辛いはずなのに。

苦しいはずなのに。

痛いはずなのに。

僕は、彼に何も出来ない。

「景くん……」

独り言は、周りの喧騒に掻き消された。

△▼△▼△▼△▼

放課後、僕は村山くんというクラスメイトに、教室に残っていてと言われた。

なんだろう、と思いつつ、自分の席に座っていた。

扉が、勢いよく開いた。

「あ、村山く……ん……？」

そこには、村山くんと、景くんを殴ったクラスメイトが居た。

はめられた。

村山『ご、ごめんっ……』

涙目になりながら謝る村山くん。

謝罪の言葉だけ残し、彼は走り去っていった。

彼等が近付いて来て、僕は殴られた。

「っ……！いっ……！！」

『今日は長尾くん居ないからね～』

『身代わりって事？』

『マジ笑う～』

ああ、景くんはこんな思いだったのか。

僕は、景くんの気持ちが分かった気がする。

△▼△▼△▼△▼

しばらく殴られ蹴られ、意識が朦朧としてきた。

『よーし、最後の一発』

『カワイソウw』

彼が大きく腕を振り上げた、その時だった。

？？「藤士郎！！！」

扉の所に、息を荒げて立っている景くんが居た。