#5 ページ5
「そっか……酷い」
僕が簡単に手当をする頃には、経緯を話しきっていた。
長尾「……お前さ、」
「ん?」
長尾「馬鹿なの?」
「は?馬鹿って失礼」
長尾「だって…俺と好意的に関わろうとする人間少ないし。近付いて来るのは、俺の家柄しか見てない……お前もそうなのか?」
「僕は貴方の家なんか知りません」
長尾「じゃあなんで、俺の関わろうとする?」
「んー、意味は無いけど……強いて言うなら、君が助けを求めてたから」
長尾「……?」
「朝、君と話した時にね、君が『たすけて』って言ってる気がした」
「だから...かな?」
長尾「っ……ははは!お前、面白いな!」
声を上げて笑う彼。
その姿は、とても楽しそうで無邪気だった。
長尾「俺は長尾景。これからよろしく」
「っ……!僕は弦月藤士郎。よろしくね」
景「おう!よろしく藤士郎!」
「呼び捨て名前呼びなの!?」
景「え?嫌だったかー?」
「それで良いよ、景くん」
景「お前もかい」
高校生になって、初めての友達。
異色で、無邪気で、誰よりも強い友達。
………これから楽しくなりそう
60人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハルカ【遼花】 | 作成日時:2022年11月19日 17時