【】夏、僕達は此処で。【】 (ページ30)

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晴「景が...入院？」

「どういうことですか.......？！」

長尾姉「景はっ......長く生きられないの....」

「......え」

晴「な、んで...」

長尾姉「.......私達の家系は剣士の家系なの」

「景は、力を授かった。それも、大きな力を」

後は、なんとなく悟ってしまった。

耳を塞いでしまいたかった。

逃げ出したかった。

長尾姉「その代わりに........景は体が弱かった」

「小さい頃は、走るだけで倒れてたの。でも、成長につれて普通に生活できるようになっていった。......それだけで、終わったら良かったのに」

彼女は、目に涙を溜めながら話していた。

彼女の葛藤や悲痛さが、言葉にならなくてもひしひしと伝わってきた。

長尾姉「高校に入る前、景は余命宣告された。」

「っ........！！」

長尾姉「信じられなかった。私は涙が止まらなかった......」

晴「余命は...いつまでって......」

長尾姉「18歳まで生きれたら奇跡って........」

晴「嘘だろ.......」

「けい、くん」

僕は、気付いたら涙を流していた。

景くんと一緒に過ごせる時間が、もう少ないらしい。

景くんがいなくなったら、僕達はどう生きていけば良いのだろうか