【】夏、僕達は此処で。【】 (ページ11)

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#11 ページ11

景「藤士郎、来て！」

「？うん」

彼に手を引っ張られ、廊下を歩く。

景くんの家は、結構大きい。

和風の家で、景くんの言っていた“家柄”というものが何か分かった気がする。

景「入って入って～」

襖を開け、手招きする景くん。

「お邪魔します……うわ」

そこには広々とした部屋と、向かいの縁側の先には、美しい景色が広がっていた。

「縁側ある……！景色も、綺麗」

景「だろ～？ここ、俺の部屋なんだ～」

そう言いながら、ブレザーを脱ぎ、ハンガーに掛けた。

「へぇ……それにしてもデカくない？w」

景「んー、そうか？これぐらいが普通だろ」

普通……？

かなり広いけど……

「そ、そうなんだ……」

景「俺の家の先祖は、強い剣士だったらしいぞ～」

景「だから、結構財力はあるらしい」

「へ～スゴいじゃん！」

景「でも聞いてくれ！平仮名習うのと同時に、剣やら武術やら教え込まれたんだぞ！？」

酷くない！？と嘆く彼。

だから彼は強いのか。納得だ。

「それは……災難だったね」

景「だろ！！？……あっ、てかさ藤士郎」

「ん？」

景「もっかい言っておく。ごめん」