悲しみの根源 ページ13
僕は毎日、放課後にAちゃんの病室へと通った。
最初に訪れた日以降、1週間ほど彼女は何も話さずただじっと窓の外を眺めていたのだが、最近になってやっとこちらを見てくれるようになった。
目が合うだけで嬉しい。
話すのは殆ど僕だけど、それでもAちゃんは相槌を打ってくれる。
それだけで十分だった。
『イズクは優しいね。』
そんなある日彼女はそう呟いて、ふわりと笑った。
その言葉は、いつも彼女が僕に言ってくれた言葉。
鈴を転がしたような、小鳥が歌うような。
透明に澄んだ、その声。
初めてだった。
「ここに来て初めて笑ったね」
『うん。何だか懐かしくて』
「懐かしい？」
『弔もね、優しかったの。
弔だけじゃないわ。
黒霧も、ドクターも、先生だって。
みんな。みんなとっても優しいのよ。
…ふふ、想像できないでしょ？』
「そう、だね。」
言われたとおり、僕には分からなかった。
死柄木弔が率いるヴィラン連合は、何度も事件を起こし、先生や友人、ヒーローたちを傷つけた犯罪者。
血も涙もない連中だと、そう思っていたから。
『みんな優しさを吐き出す場所が欲しかったのね。
けれど居場所なんてなかった。
何も与えられなかったら、知らなかったの。
そんな人の集まりよ。あそこは。』
慈しむような、憂うような、そんな微笑みを浮かべたから、僕は声をかけることができなかった。
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のえたん(プロフ) - akuaさん» リクエストありがとうございます。書かせていただきます(^o^) (2019年6月18日 15時) (
レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
akua(プロフ) - リクエストお願いします！弔が個性で子供になる話読みたいです！ (2019年6月18日 10時) (レス) id: 00971fdcab (このIDを非表示/違反報告)
のえたん(プロフ) - レイさん» リクエストありがとうございます！書かせていただきます！ (2019年6月16日 14時) (レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - のえたんさん» リクエストよろしいですか？弔と夢主ちゃんがヒーロー基礎学の授業に出るお話を書いてほしいです！ (2019年6月15日 23時) (レス) id: d0447010f9 (このIDを非表示/違反報告)
のえたん(プロフ) - ここまで読んでいただきありがとうございます！番外編もがんばりますので、よろしくお願いします(^^) (2019年6月9日 15時) (レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のえたん | 作成日時：2019年5月10日 17時
